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第4話
男に殴られた酔っぱらいは、そのまま気を失って倒れた。その瞬間、周りが一気に騒ぎ始める。そのほとんどが、京介を助けた男を褒め称えるものだった。
かっこいい、だの。抱いて、だの。とにかくそんな言葉ばかり。
男はすぐに興味をなくしたのか、その場から立ち去ろうとした。しかし、咄嗟に京介は尻尾を掴んで歩きを止めさせた。。
「…………なに?」
「あの、あの、」
「だから、な、」
咄嗟の行動で、京介自体どうすればいいか分からなかった。お礼も言いたかったし、ここに1人で取り残されたくないとも思っていたし。
とにかく、いろいろと思うことがあってどれから先に済ませればいいか分からなくなって。自然と、京介の瞳に涙が溜まる。
「だから、あの、うおっ!!」
京介が言葉を紡ごうとした時だ。何を思ったのか、男が京介を抱き上げたのだ。京介の穿いている幼女パンツが見えないように。
急に抱き上げられたので、京介は訳も分からず男の首にすがり付く。そして男は何も言わず、すたこらと歩き出した。
「あの、なにして」
「ここはうるせーし、個室に行く」
「個室?」
「あぁ。本当は、気に入った奴とのヤリ部屋にとったつもりだったけど、めんどーだからあんたでいいや」
「どういう意味!?」
いろいろと面倒だからと、男がとっている個室(ヤリ部屋)に連れていかれることになった京介。ヤリ部屋と聞かされて、京介は必死に抵抗した。しかし、おっさんの力が若い男に敵うわけもなく。
気づけば、会場の外に出ていて豪華なドアの前にいた。
ドアの前に控えていた男が、何も聞かずにドアを開けてくれた。男も声をかけることなく、そして京介を下ろすことなく中に入る。中に入って、男が迷わず向かったのはベッドルームだった。
もう無理だ。ヤられる!!京介はそう確信した。しかし、男は京介をベッドの上に下ろしただけで何もしてこなかった。
「はぇ?」
「何?ほんとにヤッてほしかったの?」
「違う!」
「だったら、パーティーが終わるまでおとなしくしてろ」
「でも、仕事」
「いい。終わるまであんたは俺が借りると言っといた」
いつの間に!と京介は思ったが、ここに来る前に男が給仕のボーイに何かを伝えていたのを思い出す。
本来なら仕事をした方がいいと分かっているが、あそこにはもういたくなかったので素直に甘えることにした。
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