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第18話

(...何故だ...?何が原因なんだ...?) 急ぎの仕事もない。 前のようなストレスも無い。 特にこれと言って大きなトラブルもない。 それは自分の望むような環境だというのに、どうもスッキリした気持ちで過ごすことが出来なかった。 それに気付いたのは一週間前で、初めは風邪でも引いたのか?と病院を受診したが結果は全くの健康体。 原因が分からないから尚更気になってしまう。 「山元主任ー!内線1番にお電話です!」 「ああ」 プライベートは持ち込まないと決めた仕事中でさえ考えてしまう謎の塊。 ...だめだ。今は仕事に専念しなくては。 軽く深呼吸し、受話器を取った。 「お待たせしました、山元です」 「お疲れー。デザインの京極でっす。」 「なんだ、弥生か。」 「なんだじゃねーだろ?な、陣今夜暇?」 「...はぁ...お前なぁ。仕事の話じゃないなら終業後にしろ。」 「昨日からメッセージ送ってんのにお前が既読付けないからだろ!?」 京極 弥生(きょうごく みき)、それは同じ会社のデザイン部を仕切る俺の親友だ。 同時期に入社した同期だが、その頃は正反対の性格で派手な行動をする弥生の事が大嫌いだった。 しかし...色々あった頃からお互いを認め合うようになり、今は数ヶ月に一度、もう一人の親友と三人で集まり呑むのが恒例となっている。 そんな弥生からメッセージと言われ、空いた手でスマホを確認すると確かに昨日...水曜日の夕方に弥生から送られてきたメッセージがあった。 「...すまん。見落としていた。」 「いーよ。で、どう?いつもの店の予定だけど...来れそう?」 「ああ。大丈夫だ。」 「オッケー。じゃ、また後で。」 完全に私用の通話だったことに少しばかり罪悪感を覚える。 そもそも何故弥生のメッセージに気付かなかったのか... 受話器を置いてから改めてメッセージ欄を見てみると、弥生のより後に届いた九鬼のメッセージはちゃんと既読を付けている。 視界に入らなかった、と言ってもいい程弥生からのメッセージの存在に気付いていない自分が不思議で仕方ない。 はぁ...、と大きなため息が漏れた。

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