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第2話

一瞬びっくりして身体を引きそうになるが、ジャケットの裾で見えない様に腰を抱いてくるので抵抗らしい抵抗もできないまま目的の階に着いた。 二人でエレベーターを降りると、扉が沢山並んでいて本当に普通のマンションの様で変にドキドキとしてくる。 カチャカチャ 「へー。本当に普通のマンションみたいで…んっ!」 トラさんの持っていた鍵で部屋に入ると、すぐにトラさんは俺の顔を両手で包み込み激しくキスをしてきた。 俺はびっくりして今度は持っていたビニール袋を落としてしまったが、トラさんのメタボな腹を乗り越える感じで首に手を回しそのキスに答えた。 おじさんとのキスに嫌悪感を感じるかと思っていたが相手が手練れているだけあってキスだけでも気持ちがいい。 それからお互い急いで靴を脱ぎ、トラさんに引っ張られるように入り口から見えていたベットへ行き押し倒された。 激しいキスを長い時間繰り返して体からは完全に力が抜けてしまっている。 トラさんの舌は肉厚でぬめぬめとしていて、その舌に咥内を滅茶苦茶にされると頭がぼぅとして何もかもがどうでも良いような物に思えてくる。 嫁とのキスでもこんなに気持ちよくなった事などないのに不思議な感覚だった。 「どうだ?ワシと最後までヤるか?」 唇を無意識に触っていて、その一言に俺はハッとした。 ここで頷いてしまえば、もっと気持ちよくはなれるだろう。 しかし、頷いてしまえばこのまま堕ちるのは目に見えていた。 「は、はい…」 しかし、俺の口は意志とは関係なく勝手に答えを出していた。 するとそんな俺にトラさんはニンマリと人の悪い顔を浮かべ一旦身体を引いた。 それを無意識に名残惜しく感じていると、トラさんはジャケットを近くのソファーに脱いでバスルームに消えていってしまった。 すぐにバスルームからはシャワーの水音がして、急に現実味がわいてきた。 とりあえず俺は入り口に落としたビニール袋の中身を冷蔵庫に移し、自分のスーツのジャケットとトラさんのジャケットをクローゼットのハンガーに吊るす。 ジャケットからは年齢からくる特有の匂いと汗が混ざった匂いが香ってくるが不思議と嫌な気持ちはなかった。本当に ガチャッ 暫くしてバスルームの扉が開く音がすると、トラさんがバスローブ姿で着ていたものを手に出てきた。 「決心は揺るがなかったようだな」 「は?」 俺が意味が分からないといった顔でトラさんを見つめていると、肉の乗った手で肩をぽんっと叩かれた。 「ゆっくり洗ってくるといい」 耳元でそう囁かれて、やっと俺は“逃げたかったら今のうち”と言うタイミングを見逃してしまったらしい事に気がついた。 これで俺はもう逃げることなどできない。 「どうしよう…」 一応エチケットとして腹の中は既に綺麗にしてあるし、実はこの話が決まってから食事も気を使って少な目にしていた。 今更ながらに自分が期待して色々やっていた事に気が付いて恥ずかしくなったけど、取り敢えず身体を洗うことにする。 俺がバスルームから出ていくと、トラさんは俺が買ってきたビールを飲みながらテレビを見ていた。 「ビールでよかったですか?」 「あぁ…勝手に手をつけさせてもらったよ」 脱いだスーツをクローゼットに吊るしつつトラさんの方を見ると、ダブルベットにはバスタオルが数枚ひかれているのが見える。 俺がそれを疑問に思ってベッドに近づくと、ぐいっと腕を引かれベットに再び押し倒される。 着ていたバスローブの合わせ目から指を入れられたと思うと、性急にトラさんの舌が首筋から胸、乳首、へその周り、股間、それから後ろ向きにされ、お尻、腰、背中、うなじと舐めまわされ口元へと帰ってきた。 「んんっ」 口元へ舌が帰ってきた頃には、俺は凄く興奮していてトラさんに抱きついていた。 「今日はゆっくり時間かけてやろう」 「はぁっ」 時間をかけると言われ、俺のアナルの孔を太い指でチョンチョンとノックされる。 俺は期待から熱い吐息を吐くと、トラさんは俺の乳首を入念に舐め、吸い、唇で強く挟んだ。 手は俺のお尻と股間を撫で回している。 「君の尻は実にいい形をしてるよ」 トラさんは、俺の尻を何度か強く握ったかと思うと、パンパンと2回叩いた。 「うひっ!」 「ケツの孔がヒクヒクしてるぞ?」 叩かれた衝撃に、自然とアナルがきゅうと反応してしまう。 トラさんは、俺のアナルを視姦しながら卑猥な言葉を投げかけてくる。 「あっ、やっ!」 「溜まってたのか?いっぱい出てるぞ?それとも期待してるのか?」 トラさんの指はアナルから袋の筋を伝い、竿の裏筋から先の方に向かい俺の先走りを指ですくう。 指についた先走りを指先で弄びながらそれを目の前にかざされる。 そのままその先走りを俺に見せ付ける様にぺろりと舐めた。 その光景があまりにも下品でいやらしくて目眩がする。 「君は淫乱だな。躾けがいがあるな」 少し強い口調でからかわれる様に言われるとドキドキすると同時に、ぞわぞわと快感が足先から上がってくる感覚がする。 トラさんは、枕元に準備されていたローションを指につけ俺のアナルの入り口をゆっくりと撫で回しはじめた。 「んっ!」 しばらく指がアナルの上を行き来していたのだが、不意に指が一本入ってきた。 俺はなんとかトラさんのペニスに手を伸ばし、それを手で扱きながら相手の指の感触を味わっていた。 「ふぁ!あぁ…」 トラさんは指をグルグルと回しながら俺のアナルを広げるかのように奥へと差し込んでいく。 指の違和感が無くなってきたころ、2本目の指が入ってきた。 さっきより少しの圧迫感を感じたがすぐに慣れた感じだった。 そして次は遂に3本なのだが、流石に中々入らない。

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