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第9話 10月29日 PART.1(R18)

 印南がホテルに滞在して、4日が経った。  印南は仕事を探すでもなく、ただ、豪華な食事と宋にもらった飴を食べ、部屋に備えつけてある金色の天蓋ベッドで男達に癒されるように愛されていた。ちなみに、昨日は一昨日のように秘薬を咽喉の奥に押し込められたのではなく、本日の朝食で出たハニートーストへ使われていたように甘い蜂蜜を身体中へかけられた。 「俺、甘いの、めっちゃ好きなんよ」  胸板や筋肉の溝や臍、肛門の窄まり等。 バター犬ならぬハニー狼と化した深月に印南は蜜の溜まるところを抉るように嘗められる。気持ちは良いものの、酷くじれったくて、その感覚から逃れる為、首を振っていた。 「やっ、いやぁ、だぁ……もっと、ちゃんと……」  精を出そうと震えるペニスを握るなり、擦るなりは望めそうにないので、せめて確かな感覚を強請って、印南は深月の頭を掴む。快感を求めて深月の舌を股間に強く押し当てる印南はバター犬を所有する淫乱な淑女のようだった。 『昨日はありがと。 また会うときまで俺のこと忘れんといてな。  星ちゃんがめっちゃ好きな月より』  コウモリを模したメモ用紙に、あの人懐っこい狼男が残したであろうメッセージを印南が開くと、その口からは溜息が出る。ただ、『追伸』が『追信』とあり、印南は微かに笑った。 『追信 今度、会ったら、なんでそんなにエロいか教えてな』  本日の昼はローストビーフ丼定食で、夜は絢爛豪華なシーフードのパエリアにハモンセラーノやチーズ、バーニャカウダ等が食べ放題らしい。 「今日も楽しみだな」  印南はそう思うと、ローストビーフ丼を完食して、夜まで寝ることにした。

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