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1. その後の話 5
「暁斗さん...っ!!!」
「うわっ!?」
「ごめん!俺悩んでた!また悩んでた!」
「ちょ!?響くん!?匂い着いちゃ...」
「いい!いいから聞いて!!!」
案の定キッチンの換気扇の下でタバコを咥えていた暁斗さんの背中に抱き付いた俺は、驚く暁斗さんの言葉を遮って自分がどうしてエッチを拒んだのかを喋り出す。
「俺...っ、なんでか分かんないけど暁斗さんとキスしても触られても勃たなくて...っ。だからそれが暁斗さんにバレたら傷付けるかなって思ってエッチ出来なかった。それを悩んでたっ。でも触られるのもキスも嫌じゃない!エッチだって暁斗さんとシたい...っ!!」
思っていたこと全部を口に出すと、暁斗さんの肩が小刻みに震えているのに気がついた。
もしかして泣いてる?心配になって顔を覗き込むと、タバコを口元に近付けたまま目を細めている暁斗さんと目が合う。
「...あ、暁斗さん??」
「ごめ...っ、ちょっと...」
「なんで笑ってるの!?」
「だって響くんが...っ、か、可愛くて」
暁斗さんは泣いてなんかいなかった。
むしろその逆で、笑いを堪えきれずに肩を震わせていたのだ。
俺が真剣に悩んで、暁斗さんに申し訳なくて、傷付けたと思って追いかけたのに、暁斗さんは笑っていた。
「...もう!!!俺真剣に悩んでたんだよ!?」
「ごめんって!」
「やだ!恥ずかしいしなんかもう...っ、暁斗さんのバカ!!」
「ごめんごめん!ホントに可愛かったからつい!」
暁斗さんの背中をポカポカ叩く俺は涙目だ。
悲しいからじゃなくて、俺の中では恥ずかしい下半身事情を話したのにまさか笑われるだなんて思わなくて恥ずかしかったから。
暁斗さんはタバコの火を消すと、また『ごめん』と謝ってからチュッと額にキスをした。
「あー、可愛すぎて食べちゃいたい。」
「反省してる!?」
「してるしてる。」
「嘘!!」
「反省してるけど食べちゃいたいの。...ね、響くんの悩み事、解消するから...いい?」
「はぁ!?って!暁斗さん!?」
全く反省の色を見せない暁斗さんは、ヒョイと俺を抱き抱えるとそのままベッドまで運び、そして少し前と同じようにそこへ押し倒した。
俺は勃たないからエッチ出来ないって言ったのに、これじゃ悩み事解消も何もないじゃいか。
そう思って暁斗さんを睨むように見上げると、暁斗さんはフッと笑って今度は俺の手の甲にキスをした。
それがなんだかとても色っぽくて、急に心臓がドキドキうるさくなる。
怒っていたはずなのにドキドキに負けて力も抜けると、それに気付いた暁斗さんは指先に唇を移動させ、親指から順にまたキスを繰り返した。
そんな甘いキスと、暁斗さんの色気に頭がポーッとしてくる俺。
だけど下半身は未だ無反応で、それが分かるのが辛い。
「響くんはさ、なんで陣とシたって思うの?」
「っ、え...?」
「どうやって抱かれたか覚えてる?」
「そ、それは!」
耳元でわざとらしくそう言った暁斗さんは、キスをした指を絡めて俺の片手の自由を奪う。
『山元さん』と呼んでいたはずなのに、いつの間にか弥生主任と同じように『陣』と呼び方が変わっていることに気付いたけれど、それを聞く余裕もない程に暁斗さんの質問は続く。
「キスして、痕つけられて、何処触られた?」
「っあ、」
「何回イカされた?」
「や...っ、だ、だめ」
暁斗さんはまるで俺と陣のエッチを知っているかのように身体に触れた。
キスも、痕も、下半身を触られたのも覚えてる。そしてそこを握られめちゃくちゃイカされたことも微かにだけど覚えてる。
陣は俺が何回イッてもそこを弄り、離さなかったんだ。
「ココは?覚えてる?」
暁斗さんの指がツゥっとなぞるように後孔をなぞると、全身がゾクゾクして反るように身体が反応した。
久しぶりに感じたその感覚は怖いくらいで、そんな俺の反応を見た暁斗さんはニィッと口角を上げるとやっと手を離してくれた。
「大丈夫、響くんは陣と最後までシてないよ」
そしてそう囁くと、暁斗さんは素早く俺の服を脱がし、丸出しになった俺の下半身をパクリと咥えた。
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