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第13話

「な、お前…今日仕事は?」 何も言えなくなっているみずきに、驚きながらも質問を投げる。 「…休みに、なったから」 反射的に答えるみずきだが… 心は激しく動揺していて… 「……」 沈黙状態が痛くて… アキラが言葉を出そうとした瞬間… 「ッ!?」 不意にみずきが動く… アキラを避け強引に部屋の中へ入っていく… 「ちょ…みずきッ!」 呼び止めるアキラだが、みずきは制止を聞かず、まっすぐ寝室へ向かう。 信じたくない思いはあるが…はっきりさせる為… バン!と寝室の戸を開け…それを見る。 乱れた寝床… 「……」 部屋の入口で立ち止まっているみずき。 「……みずき」 アキラは後を追い小声で窺うように呼ぶ…。 ベッドの上の乱れた様子に…愕然としながらも…     「……寝たのか?」 短く問う。 その低い声に身震いを覚える…。 ……そのみずきの、怒りに震える後ろ姿を見て… アキラは…心が縛られ… すぐには声が出ない。 「……」 みずきは微動だにせず… アキラの答えを待つ… 「……そうだよ、悪い?」 しかし、みずきに気圧されないよう、アキラは開き直って言い返してしまう。 「…ッ」 その答えに唇を噛み、こぶしを震わせる…。 「一回、三万、週2回六万でヤッてくれるんだよ、こずかい稼ぎに丁度いいからな…」 真実を言う訳にはいかない… 背を向けているみずきに向かい、わざとそんな、挑発する嘘を言う。 「……」 枕もとには現金3万円が… みずきには…違えようのない事実と受け取るしかない… 悔しさに涙が出そうになる。 自分は…アキラのことを想って、死ぬほど愛しているのに… 今は、アキラに触れることすらできない… それが、どこの誰とも知れない男と…アキラは… 「……」 振り返ってアキラの瞳を見る。 「…な、…なんだよ」 その、みずきの鋭い瞳に睨まれ、一瞬たじっとなるアキラだが…反発するよう見返す。

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