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第15話

あの日から…六日が過ぎた。 休みには会いに来て、ほぼ毎日連絡があったみずきは…あれから会いに来ない…電話もない。 別に…それを責める理由も、資格もないけれど… 「…むかつく」 一人苛々してしまう。 自分でも、何がこんなにイライラさせているのか分からない… 別れなきゃならないんだから… バレること前提で、二重生活を続けていたはずで… いつかはこうなることは分かっていた。 だから… 丁度よくて、もう終わりにするのが当たり前なハズなのに… 音信不通の…みずきのことが… 気になって、仕方ない… フミヒコと会っている時も… 「サクヤ?何か悩みごとがあるのかい?」 行為の始めに聞くフミヒコ。 「ん?どうして…」 小さく首を傾げる。 「…心、ここにあらずのようだよ?」 優しくアキラの服を脱がしながら囁く… 「…ううん、ただ…忘れてしまいたいことがあって…」 もう忘れないといけない存在、考えたらいけない。 ゆるく首を振る。 「忘れたいこと?」 アキラの素肌にキスしながら聞く。 「ううん、も、いいから…抱いて、何も考えられないくらい激しく…お願い…」 フミヒコに縋りながら…懇願する。 「珍しいね…悪くはないけれど…」 くすっと笑いながらも…どこか切ない瞳で見つめる。 アキラの心を慰め熱く抱くフミヒコ…。 覆いつくせないその想いを感じながら… そして…朝を迎える。 「では、仕事にいくからね…何かあればいつでも携帯に連絡くれればいいから…」 いつものように現金を与え、優しく語る。 「うん…大丈夫」 フミヒコの言葉をぼうっとしながら聞く… 「また、愉しみにしているよ‥」 「ありがと…」 アキラの言葉に、こちらこそ…とキスを交わし… フミヒコは帰っていく…。

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