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第16話
「……」
送り出して、すぐ携帯電話の電源をつけ、確認するアキラ。
着信はなく、留守電には入っていない…
「何、やってんだろ…オレ」
携帯を握りしめぽつりと呟いてしまう…
未練がましく…
どうせ、みずきなんか…。
オレは人とマジに付き合うことなんてできないんだ…
これでいいはずなのに…
ツラくて…
胸が苦しい…
でも、自覚するのが恐い…
人を好きになってはいけない…
もう二度と…
だから…。
考えていたその時…
アキラの携帯電話に着信が…
見ると…
「…公衆電話…から」
取るかしばらく迷ったが…
一応受けてみる。
「ハイ…もしもし、誰?」
静かに聞くと、一時空白があり…
そして返って来た声は…
『…俺だ、鈴鹿みずき…』
その声に…心臓がドクンと鳴る…
「…!みずき!?」
『あぁ、…その、今日の夜7時頃…部屋にいるか?』
声の調子はどこか弱いみずき…
「いるよ…」
不信に思ったが、すぐ答える。
『その時間、部屋に行くから居てほしい…』
「…わかった、」
どこかぎこちなく答える。
『…あぁ、なら…また』
「…じゃな、みずき…」
短い会話…
『…ツー、ツー』
静かに切れた電話…
手が微かに震える。
「やばい…オレ」
あいつからの電話…こんなに喜んでる自分。
「でも、ダメだ…」
すぐ首を振る…
自分の中に芽生える気持ちを否定する。
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