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《朝までの時間》

寝た時間が早かったため、深夜2時ごろに目が覚めたアキラ。 まだ夜…。 少し安堵するように息をつく。 (みずき…) 疲れを癒すように、まだスヤスヤ眠っているみずきを見つめる。 (喉渇いたな…) しっかり抱きしめられているそのみずきの手にそっと触れる。 (あたたかい…) みずきが居る… その温もりをかみしめて… 抱きしめる腕をそっとよけ、起き上がろうとする。 「……アキラ?」 ふとみずきは目を覚まし呼ぶ… 「あ、ゴメン起こした?」 「いや、どうした?」 みずきも起き上がりながら聞く。 「喉渇いたからお茶飲んでくる」 「なら、俺が汲んでくるから…アキラは休んでいて…」 そう囁いて、布団から出る。 「でも…」 「大丈夫…」 そっと髪に触れ、優しくキスを落としながら囁くみずき。 「……」 お互い裸体だが… みずきはキッチンへ赴き、下衣だけ身にまとって、アキラの為にお茶を取ってくる。 アキラの服もついでに持ってくるが… 「はい、お茶。服も着るか?」 お茶を手渡しベッドサイドに座る。 「ありがと…」 ベッド上に座って布団を腰くらいまでかけて、お茶を受け取り飲むアキラ。 「……」 そんな姿のアキラを見てドキドキしてしまう。 「アキラ…服は…」 「ふっ、そんなに服着せたい?」 「あ、いや…その、目のやり場が…風邪をひいてもいけないし…」 また、あたふたと目を逸らすみずきを見て… 「ふ…こうすればあたたかい…」 アキラはコップを置いて、みずきに寄り添うように身体を密着させる。 「っ、アキラ?」 びっくりして固まるみずきの素肌に触れ… そっと頭を寄せる。 「ドキドキしてる…」 みずきの心音が伝わってきて… ポツリと囁く。 「あ、あぁ…」 目のやり場に困りながら、触れてくるアキラを抱き寄せる。

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