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第39話
「…みずき」
ぽつりと名前を呟く…
そこへ…
「…アキラッ!」
「っ…!」
後ろから急に呼ばれドキッとする。
「…よかった、姿が見えなかったから…」
少し安心した様子で、ズボンのベルトをしめながら近づいてくるみずき。
アキラに手が触れる直前…
「触るなッ!」
キツく止める。
「え…!?…アキラ?」
ザクッと胸をえぐられるような衝撃がはしるみずき。
名前で問い掛けてしまう…
「…お前に選択肢をふたつやる…一つは、昨日寝たのは…お前がこの金でオレを買ったから…これからもオレの客になるか…」
背を向けたまま、淡々と話す。
「なッ!?アキラッ?」
みずきは信じられない思いになるが…
「もう一つは、オレに触れない約束を破ったから、何もいわずオレの前から姿を消し、今後一切関わりを絶つか…」
さらに冷たく理不尽な2択をつきつける。
「アキラ!?…そんな、ッ」
みずきは返す言葉が出ない。
「前者なら、オレはそのつもりで扱うし、オレとも寝れる…でも、恋愛感情は捨ててもらうから…この先、オレが何しようと、お前にとやかく言われる筋合いはないから…」
アキラは何かに押されるようにキツく言い切る。
「……!?」
愕然とするみずき。
「どうする?…二つに一つ…選べよ」
そして結論を急かすように言う。
「っ…でも、それはッ」
心中、かなり狼狽して単語を出すのがやっとのみずき。
「反論は聞かない…早く決めろよっ…」
アキラは背を向けたまま…口調を尖らせ言う。
「……アキラ…」
その肩が微かに震えていることに気付いてしまうみずき…
困惑しながらも…
そっと後ろからその肩に優しく触れる。
「ッな…放せっ触るな、オレに…ッ!」
「放さない…俺はアキラがいないとダメなんだ…ッ」
みずきはアキラを優しく包み込むように抱きしめ囁き…
「ッみず…ンっ」
振り向いたアキラの唇へ熱く口づけをする。
すぐに舌が絡む深く甘いキスに…
足がくだけそうになる…。
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