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第45話

望む望まないに関わらず… 常にそういう目でみられ続けてきた。 今回だって、みずきを盾に脅され…タツの撮影で追い撃ちをかけられ、ここの生活を選ぶしかなかった… 誰が好きで…男の飼い犬になんてなる? 嫌だけど、他にどうしろっていうんだよッ! 「…くそッ」 心で思い短く吐き捨てるアキラ。 「……」 深緑の瞳は涙で濡れていて…唇を噛むように、なにかを堪えるアキラの顔は…みずきに心にちゃんと届き…応えていた。 「…アキラ、ごめん」 優しく抱き寄せる。 人一倍プライドの高いアキラが… 好きこのんで囲われているはずがない。 「アキラ…どうしてこういう事になったんだ?なにか、アキラを縛る理由が他にあるんだろう?」 タツたちの撮影だけで、男の物になるなんて契約に頷くはずがない。 「……」 アキラは答えられず床へ視線を投げる。 「教えてくれ、BOUSの社長に脅されたんだろう?」 少し身体を離し…アキラの顔を覗くように聞く。 「……」 それでも答えないアキラ。 「……アキラ、ひとりで抱え込まないで俺にも話してほしい…俺は、そんなに頼りにならないか…?」 優しく語りかけるように聞く。 「そうじゃない…けど、言えない…」 ようやく言葉を出すが…首を振る。 「なぜ…?」 みずきの問い掛けに答えられない。 「……」 「…まさか、俺が原因なのか?」 かたくななアキラの態度をみて、ふっと思うみずき。 「俺のことで脅されたのか?そうなんだな…?」 無言で首を振る。 「アキラが教えてくれないなら、直接BOUSに聞いてみる…」 確かめなくては気が済まないみずき。 すくっと立ち上がる。 「馬鹿ッやめろッ、BOUSとは、もう話しが済んでるんだから!不用意に関わりを持つな!」 かっとなってみずきを止める。 みずきは一呼吸置いて… 「アキラ…」 しっかり瞳を合わせて、もう一度問い掛ける。 「…っだよ、そうだよッ!契約に従わなかったらアイツら、怪我してるみずきを襲うって、オレと一緒に暮らしていたから…みずきは巻き込まれたんだよ!」 開き直ったように、一気に言う。 「……」 やはり自分のせいだったことにショックを受けるみずき。 言葉に詰まるが…。

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