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第46話
「だから、もう誰とも一緒に住む気はないから」
突き放すように続けて言う。
「……」
みずきは、しばらく考えるように沈黙し…
「…アキラ、さっき、もうタツは撮影にこないって言ってただろう。BOUSとは話しがついていると…なら、もう狙われることはない筈だろ…?」
そして、アキラへ尋ねる。
「それは…フミヒコとの契約が成立したから…オレが、みずきと暮らしたら、契約破棄になるし…そうなれば社長が黙ってる筈ない」
もう、隠しても仕方ないから…
本当のことを伝えるアキラ。
「…今は、その契約、そのフミヒコという奴だけと交わしているんだろう?だったら、契約破棄になってもそのフミヒコさえBOUSに黙っていてもらえたら狙われずにすむ事になる」
みずきなりに、ゆっくりと考えながら話す。
「そんな事…」
そんな都合のいい事…無理に決まってる。
そう思って首を横にふる。
「俺が話してみる…そのフミヒコという奴に…アキラも、俺への気持ちじゃなく、今おかれている状況について思うことを嘘偽りなく、その相手に伝えて欲しい…」
願うように言葉にするみずき。
「……」
アキラは答えられず視線を下げる。
「こんな状態…アキラにとっていいはずがない、戻って来てほしい…アキラ…」
みずきは再びアキラを優しく抱きしめながら囁く。
「……、でも、オレと暮らしたら…」
「アキラ、…前にも言ったけれど、俺の気持ちは変わらない、ずっと伝えている通りだから…今度はアキラ自身の気持ちを教えてくれ…」
自分の気持ちより一緒に暮らすみずきの安全を先に考えるアキラに…言葉を割って、まっすぐ聞く。
「……」
答えられないアキラ…
「俺と暮らしていて…アキラはどうだった?」
みずきは思い切って聞く…
アキラに好かれているということが…昨日の行為の最中に聞けて、少しだけみずきの自信に繋がったのだ。
「…オレは」
アキラはぽつりと呟く…
居心地が良かったから…
必要以上に長居してしまった…
みずきと暮らしていた、あの時は…自分でも驚く程、平穏だった。
「…居心地が、良かった…だから、なかなか出て行けなくて…結果、みずきを巻き込んで…怪我させることになって…」
やはりアキラの中で、みずきを巻き込んで傷つけてしまったことは…重く心に引っ掛かりを残している。
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