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第63話※
「あぁ、違うよ」
アキラをそんな風には扱わない。
「多分違わない…」
まっすぐ言い返してくる。
「アキラ…」
「ふっ、もう、愛されたいとか求めるのも嫌になった、だから、その時が楽しければ…別にモノ扱いだろうと、セックスマシーンだろうと、どうでもよくなって…」
そう自分を嘲るようにアキラは笑う。
「な、こんなひねくれたオレに、愛してるって言っても意味ないだろ?」
こんな適当なオレは、愛される対象じゃない。
「…それでも、俺は本当に愛してるよ」
ゆるく首を振り、こめかみに触れ真剣に伝えるが…
「…不思議、SEXも、みずきがやりたいようにすればいいのに」
みずきの言葉もあえて無視する。
その言葉は信じない…
信じたらバカな思いするだけ…
自分が情けなくなるだけ…
だから…
アキラは不意にソファから起き上がろうとする。
みずきはそっとアキラの背をを支え、ゆっくり抱き起こす。
「ふ、そんなに、丁寧にしなくても、オレは平気だけど…」
そのまま隣に座るみずきに寄り添いながら…
くすっと笑ってしまう。
「エッチの時も…」
丁寧すぎるくらい優しい。
BOUSで受専やってたんだから、無理やりヤられることなんかしょっちゅうだった。
それでも、感じられるカラダになってるから…
挿入ってくるものを拒めない、そんな淫乱で穢れたカラダ…
「嫌か?」
「ううん、オレは気持ちいいから、嫌なわけない、けど、オレばっか気持ちよくて、お前だって早くイれたいだろ?」
「いや、アキラがもっと楽しめるなら、いくらでも奉仕する、たとえ繋がれなくても俺はアキラとこうしていられれば幸せだから」
「それは、おかしい…」
不意に首を傾げ、みずきの想いを否定する。
「え?」
「ヤりたいからこういうことになってるんだろ?」
最終的にはカラダが欲しいってこと。自分が気持ちよくなりたいってことらだから。
「……」
『やりたいから…』
確かに好きだから、それもあるけれど…
それが全てじゃない、1番の優先事項でもない。
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