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《交渉》

あれから数日が過ぎ… みずきと話して決めたことを実行に移す日がきた…。 今日はフミヒコがオレに会いに来る日。 フミヒコに、契約の話を相談して、破棄にしてもらう。 できなくても、期間延長くらいはしてもらえるように…交渉する。 唐突で無茶な話だけれど、フミヒコは話を聞いてくれない人ではないから…。 それで、新しいトコに引っ越して、少しの間、みずきと再び生活をはじめるために…。 みずきに、まともな生活をさせるため、と理由づけて… もう戻らないつもりで、一度出て行った身だから…そう思わないと自分のプライドが許せそうにない。 フミヒコと話をするのは、自分だけでもよかったけれど、みずきがどうしても一緒に話をしたいと言うから… 今日、昼の仕事が終わったら急いで来る予定になっている。 フミヒコにはあらかじめ電話して大切な話があることを伝えている。 けど、何時に来るかは分からないから…みずきより先に来てしまうかもしれない、どんなふうに話をしようか… 今まで、考えている…。 そうこうしているうちに時間は過ぎて… 午後四時。 ついに… 『ピンポーン』と来客の合図。 時間的にみずきではない… 「はい…」 静かに返事を返しドアを開けるアキラ。 「やぁ、サクヤ…会いたかったよ」 すっと当然のように…キスを交わす。 「いらっしゃい、フミヒコさん」 アキラも受け流してフミヒコを招き入れる。 すっと横に添い、フミヒコはアキラをエスコートするように歩く。 アキラはややうつむいて、何から話すか言葉を探す。 「…何か、大切な話があるんだってね…」 不意にフミヒコが聞いてくる。 「…そう、フミヒコさんには悪いハナシ…」 ぽつりと返す。 「だろうね…ま、とりあえず座ろう」 優しく頷いて促す。 「うん…」 頷いてソファへふたり腰を降ろす。 「さて…話は…」 フミヒコはさっそく聞きはじめるが… 「…もう一人、呼んでるから…」 アキラはみずきの存在をほのめかす。 「…それは、ユウくんかな?」 軽く首を傾げながら、フミヒコは続けて聞く… ユウはBOUSでのみずきの性優名だ。 「えっ…なんで知って…」 教えていないハズだったから驚く。

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