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第72話

「前に一度すれ違ったね…改めて、はじめまして…私はサクヤたちの所有者をしているフミヒコと言う者。君もBOUSのVideoでよく観ているよ…ユウ」 さらっと独占的な言葉を出すフミヒコに… みずきは無愛想に会釈をするのみ… 「……」 アキラを自分の物のようにふるまうフミヒコに怒りを感じてしまうが、その感情をなんとか抑える。 「話しは、だいたいサクヤから聞いているよ…」 余裕の微笑みをたたえたまま… 「…君とも話をしなければならないね、サクヤは私と契約をしていたんだ、君の存在は…私にとって大きな痛手だからね…」 続けて言葉にするフミヒコ。 「……」 その言葉にアキラは、少しだけ嫌な感じがはしる。 「俺も、はっきり言いたいことがあるから…」 みずきも言葉を返す。 「サクヤとはもう話すことはないからね、サクヤを抜きで話をしようか?」 ちらっとサクヤに視線を送り、みずきに問う。 「あぁ、わかった…」 みずきはその視線さえも腹がたって、アキラを庇うように立ち、頷く。 「なら、サクヤは…そうだな、シャワーでも浴びていてくれ、話しは数分で終わるからね」 フミヒコはみずきの行動など流してアキラに言う。 「え…っ」 先ほどの行為のこともあり少しドキっとしてしまうアキラだが… 「外に追い出すわけにもいかないだろう…」 笑みを浮かべ、やはり何事もないように言う。 「……」 短く頷いて行こうとするアキラ… その前に、今にも掴みかかりそうな…ピリピリした雰囲気を出しているみずきの腕を軽く引く。 「……」 振り向いたみずきに… 「…口で勝てないからって、殴ったりするなよ…」 ポソっとアキラなりにみずきを心配して伝える。 相手は会話のプロだ… そうでなくても、口下手なみずきがかなう相手じゃないから… 「…分かってる」 しかし、みずきにはアキラがフミヒコを心配しているように聞こえ…短く答えたのみ… 「……」 そんな様子のみずきが気にはなるけれど… 自分が動かなくては始まらない状況で、アキラはそのまま浴室がある部屋に入っていく…

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