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第78話

「……はぁ、ったく、ホントに馬鹿な…お前は、」 そんなみずきを見て、優しく息をついて言葉をかける。 「アキラ…」 「流されやすいっていうか…一度にいろんなコト言われると、必ず混乱するよな、この脳みそは!」 みずきの髪をくしゃと撫でる。 「……」 そっと視線を上げるみずき。 優しく澄んだ深緑の瞳と重なる視線… 「落ち着いて考えてみろ、お前は誰の意志が最優先なんだよ?フミヒコさんか?」 「…違う、」 「オレとフミヒコさん、どっちの言うことが大切なんだ?」 「…それは、アキラ…」 「じゃ、オレの言ったコト、覚えてるだろ、オレは仕事も収入も、もちろん学歴だって気にしない…そう伝えたはずだけど?」 アキラはそう軽く首をかしげる。 「それは…分かってる、けど…金を払わないと、アキラは返してもらえないから、あいつの所で働こうと思うんだ…」 どう伝えていいか迷いながら、みずきなりに真剣に伝える。 「は?何でみずきが金を払う必要があるんだよ、お前は関係ないだろ?」 アキラは呆れたように聞く。 自分がBUOSに売られたんだからみずきには関係ない。 「けれど…あいつは、アキラから…金は貰わないと言っていた、でも金を返さないと…アキラはアイツのものだから、俺が…」 「なんだよそれは…ハナシが違うって、一年は払わなくても自由にしていいって言ったんだ…、って言うか、フミヒコさんの所で働く!?お前が?」 ふと、さっきのみずきの言葉を思い出して驚いたように声を出す。 「…コンビニより金がいいから」 ぽそっと答える。 「…ホスト、するのか?」 「…アキラは嫌だよな、付き合っている俺が、そんな仕事をするのは…」 みずきはそっと尋ねる。 「え…、オレは別に…」 それは…仕事内容が、女と寝たりするんなら… 多少嫌な気にはなるけど、自分だって、フミヒコとSEXしてる訳だから… とやかく言える立場じゃない… アキラは少し視線を下げて言う。 さっきおこなった裏切り行為が頭をかすめる…

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