79 / 207

第79話

「…アキラ、」 何とも思われないならそれはそれで少し悲しくなる。 続ける言葉を無くしていると… 「お前、働かなくていい…そもそも、お前が金払うことはないんだから、フミヒコさんの言うこと、間にうけすぎなんだよ…」 「……」 「…お前だって生活あるんだから、1000万なんか普通払えないのが当たり前なんだよ…気にしなくていいから…」 アキラの優しい言葉を聞いて、自分が情けなくて胸が締め付けられる思いのみずき。 「…俺が、不甲斐ないから…すまないアキラ」 フミヒコから受けたダメージはかなりのものでみずきは謝らずにはいられず謝ってしまう。 「…あのな、オレがいつ、お前のことそういう風に言った?自信喪失しすぎ!ただでさえ自信なさそうだったのに…もう、お前、完全にフミヒコさんの罠にハマってるよな、ったく!」 やれやれと息をついてソファに座るアキラ。 みずきは、それを目で追う。 「罠…」 「フミヒコさんだって、オレを気に入ってるから、取られたくないんだから、それなりに揺さ振ってくるのは当たり前だろ、真にうけて全部言う通りにするバカがどこにいるんだよ…」 話しの勢いで言ってしまう。 「……」 確かにその通りなので… またヘコむみずき。 それを見て、ハッとするアキラ、取り繕うように言葉を出す。 「…って言っても、それがみずきだもんな…キツいこと言ってゴメン…こんな、フラフラしてるオレより、お前の方が何倍もしっかりしてるし…こんな偉そうなこと、言える立場じゃないのにな…」 みずきを立ち直らせようと、ふっと雰囲気を変えて話す。 「アキラ、そんなことはない、いつでも対等にいたいと思ってるから…言いたいことがあれば言ってくれた方が嬉しい」 「それはお互い様…、だから、お前も本当に別れて、ホストしたいんなら…別に止める権利はオレにないし…働き過ぎたら注意するけど…」 みずきを見上げて、静かに伝える。 「オレは、アキラと暮らしたい…それが一番の願い…、ただ、…アキラが幸せに暮らせるのはどちらかと考えた時…オレとでは満足させてやれないかも…と、思えてきて…」 みずきは首を横に振り、アキラの言葉を否定して、考えながら話す。

ともだちにシェアしよう!