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第79話
「…アキラ、」
何とも思われないならそれはそれで少し悲しくなる。
続ける言葉を無くしていると…
「お前、働かなくていい…そもそも、お前が金払うことはないんだから、フミヒコさんの言うこと、間にうけすぎなんだよ…」
「……」
「…お前だって生活あるんだから、1000万なんか普通払えないのが当たり前なんだよ…気にしなくていいから…」
アキラの優しい言葉を聞いて、自分が情けなくて胸が締め付けられる思いのみずき。
「…俺が、不甲斐ないから…すまないアキラ」
フミヒコから受けたダメージはかなりのものでみずきは謝らずにはいられず謝ってしまう。
「…あのな、オレがいつ、お前のことそういう風に言った?自信喪失しすぎ!ただでさえ自信なさそうだったのに…もう、お前、完全にフミヒコさんの罠にハマってるよな、ったく!」
やれやれと息をついてソファに座るアキラ。
みずきは、それを目で追う。
「罠…」
「フミヒコさんだって、オレを気に入ってるから、取られたくないんだから、それなりに揺さ振ってくるのは当たり前だろ、真にうけて全部言う通りにするバカがどこにいるんだよ…」
話しの勢いで言ってしまう。
「……」
確かにその通りなので…
またヘコむみずき。
それを見て、ハッとするアキラ、取り繕うように言葉を出す。
「…って言っても、それがみずきだもんな…キツいこと言ってゴメン…こんな、フラフラしてるオレより、お前の方が何倍もしっかりしてるし…こんな偉そうなこと、言える立場じゃないのにな…」
みずきを立ち直らせようと、ふっと雰囲気を変えて話す。
「アキラ、そんなことはない、いつでも対等にいたいと思ってるから…言いたいことがあれば言ってくれた方が嬉しい」
「それはお互い様…、だから、お前も本当に別れて、ホストしたいんなら…別に止める権利はオレにないし…働き過ぎたら注意するけど…」
みずきを見上げて、静かに伝える。
「オレは、アキラと暮らしたい…それが一番の願い…、ただ、…アキラが幸せに暮らせるのはどちらかと考えた時…オレとでは満足させてやれないかも…と、思えてきて…」
みずきは首を横に振り、アキラの言葉を否定して、考えながら話す。
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