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第90話
「アキラ、ケイタイ見ていい?メールの内容まで見ないから」
ルードはいきなりお願いしている。
みずきは驚くが…
「いいよ、別にヤマシイものないからな…じゃ変わりにルードの見せてくれる?」
軽く返事を返す。
「おっけ、やたー!」
ルードはアキラに自分の携帯電話を渡しながら…
嬉しそうにアキラの携帯を開く…
「……」
やはり気になるみずきだけれど…動けず成り行きを見守る。
「アキラってあんまり電話しないのなー」
リダイヤル履歴を見ながら聞く。
「あんま自分からかけないからなー、ルードは、友達多いんだな」
首を傾げ答えるアキラ。
ルードの着歴をみつつ驚いている。
そこへルードの携帯を見ようと後ろへ移動してきたヨシが口を挟む。
「どれどれ?あ、ホントだ、違う名前だらけだな…」
アキラはムッとするが…ルードは気にしている様子もなく、のんびり答える。
「そっかな?…けど、アキラ、フミヒコって誰?」
履歴の中に見慣れない名前を見て不意に聞くルード。
「……」
みずきもピクっと反応する。
「うん、少しややこしいことに巻き込まれてな…その連絡先」
簡単にそれだけ伝えるアキラ。
「え、なに、それ…?」
興味を持って聞くルードだが…
「もうカタつくから全然問題ないし、ルードは気にしなくていいって」
アキラはルードのケータイを返しながらごまかす。
「ふーん…そうなんだ…」
不納得ぎみだが頷きメールの受信画面へと変えるルード。
「メールは、オレが多いかも、あ、こいつ誰?カズキ…ちゃんと返信してる」
みずきでもなく…ルードでもないから。
その名前は、みずきも聞いていないことで驚く…
「ん?後輩。メルアド教えるって、難題ふっかけて約束したから」
「学校の?」
ルードはそう聞くが、すかさずヨシが聞く。
「カズキつったら、BOUSのだろ?」
「終撮の相手だと言っていたカズキか?」
みずきも黙っていられず聞いてしまう。
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