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第91話

「そうだって、別にメールしてるだけだからな…」 一応、安心させるようにみずきに言う。 「あぁ…」 頷くみずきを横目に…ルードはアキラに話しかける。 「そうなんだ、BOUSの人かー、やっぱアキラ狙ってんのかな…」 「どうだろ?…でもいい奴だよ」 アキラは苦笑いしながら答える。 「確かになぁ…アイツ親いねーのに弟ふたり障害児なんだろ?大変そうだったぜ」 またまたヨシが口をはさむ… 「え、そうなん?」 今度はアキラが驚いていヨシを見る。 「おう、アイツは話しやすかったから色々聞いたんだよ…弟の為にBOUSは辞められないって言ってたな…誰かと違って偉そうじゃないし、性格もいい奴だよな…」 少し嫌みを含めヨシは続けて話す。 「うっせー、向こう行けよ!」 わざとらしくヨシに見られアキラは怒るが…ヨシが言い返す前にルードが… 「アキラ!電話電話っ着信!」 慌てて携帯を返す。 「誰…?げ、コウジか…出たくないな…」 鳴り続けるケータイを受け取り画面をみて言うアキラ。 「え、コウジ?なんで出たくないの?」 ルードがすかさず聞く… 「何回か電話あったけど…色々あって無視してたからな…気まずいんだよな…」 そう首を傾げている。 「なら俺、出ていい?」 ルードはすぐ頼む。 「おっけー、オレ出にくいから好きにして、ホイ!」 アキラは再びルードへ携帯を渡す。 ルードはさっそく出てみる。 「もしもし…コウジ?」 『えっ!その声…ルード君?』 案の定驚くコウジ。 「うん、久しぶり~!」 ルードは陽気に答えている。 『え、あ、うん…久しぶり…ってなんでアキ兄の携帯電話にルード君が出るの?』 やっと出たと思ったら…と付け足すコウジ。 「遊びに来てるんだ、傍にアキラもいるよ、電話するのを忘れてたんだって」 『忘れてたって…ごめん、アキ兄に代われる?ルード君』 「うん、アキラ!」 ルードは軽く頷きアキラに携帯を渡す。 「やっぱ、オレか…何、コウ?」 アキラは渋々電話に出るが…

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