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第93話
さらに電話の奥で…
『誰だよ電話、』などと聞かれている。
『…アキ兄だよ』
渋々答えるコウジ。
『うそ、お兄サン!?連絡ついたんだな、代わって』
『ちょ…瞬!』
『あ、もしもし。お兄さんですか?お久しぶりっすー、話聞きました?』
有無を言わせず携帯電話をとり、明るく話すシュンスケ。
「ふっ相変わらずだな…で、温泉だって?」
軽く笑って聞くアキラ。
『そうです!二人部屋で各部屋に小さい露天風呂がついてて、大露天風呂もあって、いい宿なんすよ、彼氏サン誘っていきましょーよ!』
「行きたいけどな…バイトが、」
首を傾げみずきを見る。
「アキラは土日休みだな…俺は日曜朝から夜まで、仕事だ…」
シフトを確認してみずきが答える。
「そっか…どうするかな、」
「アキラ、温泉?俺も行ってみたい!みずきの代わりに俺、行っちゃダメかな?」
「ルード…」
さすがにそれは許せないとみずきが首を振る。
「仕事は…なんとか替わってもらうから…一緒に行こう、アキラ」
アキラの行きたい場所へ付き添うために、みずきは答えるが…
「えー、俺も行きたい…」
ルードはかなり不服そうに呟く。
「何、何?俺も混ぜろって!」
さらにヨシまでやってきて…
「あー、うっとおしーのがまた…」
アキラはやれやれとぼやく。
「な、うっとおしいとは何だ!」
すぐ反応して怒るヨシ。
『あのーお兄さん?』
なかなかハナシが進まず聞いてしまうシュンスケ。
「悪い悪い、ちょっと今、ルードたちも来ててな…人数って増やせる?二人」
『そーっすね、もう一回、宿に聞いてみることにします、二人部屋増やすでいいっすか?たぶん四人部屋と大部屋があったと思うっすけど…』
「そーだな…ルードをヨシと二人っきりにするのもな…四人部屋が開いてたら、そっちに変えれるか聞いてくれる?」
『おっけーっす!また後でかけ直しますね!』
「ん、分かった、」
とりあえず電話を切るアキラ。
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