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第95話
「殴れないだろ~」
くすくす笑って可愛い顔を傾げながら挑発するアキラ。
「かー!マジ、こいつのどこがいいんだみずき!ルード!」
憤慨するヨシだが…
「ヨシが過剰に反応するからアキラも余計からかっちゃうんだよ!」
ルードが笑って答えている。
そこへ、アキラの携帯電話が鳴りはじめる。
「あ、アキラ電話電話!」
ルードは携帯電話を取ってアキラに渡す。
「うん、ハイハイ」
電話を受け取り出てみる。
『アキ兄、僕。あの、ホントに行く気?』
「まぁな、楽しそうだし、ルードはもう行く気満々だから…」
軽く答えるアキラに…
『…大丈夫?』
身体のことも含めて聞くコウジ。
遠出を経験したことがないアキラだから…
「どこ行くかしんないけど、車出せる奴いるから移動は気にしなくていいしな、」
ヨシをちらっと見ながら話す。
『…うん、そうだね』
コウジは一度頷いて…
『じゃ…部屋だけど、もう二人部屋しか空いてないって、だから二人部屋を三つ予約になるけど…いい?』
コウジは息をついて伝える。
「そっか…おっけー、つーか空いてるだけでもキセキだろーな今の時期、で、来週の連休だろ?」
『そうだよ、詳しいこと決まったらまた電話するから、またねアキ兄』
「ん、また、」
とりあえず、電話を終える。
「部屋どうするかな~、」
携帯電話をそばに置きながら一人呟くアキラ。
「どうした?」
「部屋ってナニ?」
それに反応してみずきとルードが聞き返す。
「二人部屋だからさ、部屋割」
「ならアキラとみずき、俺とヨシでいいんじゃない?フツーに」
「だな!」
ルードの意見に大賛成なヨシ。
「うーん、だよな…」
アキラは首をかしげるが…
「だって他の組合せって…コウジたちは除いて四人だし、アキラと俺じゃみずきが反対だろ?」
簡単に例えてみずきに言う。
「あぁ、」
もちろん、と頷くみずき。
「俺とみずきだったら、アキラ、ヨシとだよ?」
続いてルードがアキラに言う。
「う、それはヤだ…」
苦い顔をするアキラ…
「もち、」
二回以上頷くヨシ。
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