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第98話
「いや…」
そう首を振るしかないみずき…
「だよな、キスとかって挨拶代わりだろ?」
「アキラ、俺はそうは思っていないから…気軽に他人にキスしないで欲しい…」
生真面目にお願いするみずきに…
「ふーん、そっか、考えとく」
アキラはそう微笑んでみずきの反応を見ているが…
「みずき、聞いたか?今からでも遅くない、こんなあまのじゃくとは別れるのが正解だ!」
怒りがおさまらないヨシは憤慨していう。
「ヨシ…」
言い過ぎ、と…みずきは案の定、瞳でヨシを静止させる。
「うーそ、冗談、俺はみずき応援してるしぃ、こんなムカツク奴相手じゃなきゃ全面的に!」
フンとやけになるヨシ。
「ははー、ヨシ自滅!」
ルードがくすくす笑っている。
「うるせーぞ」
その首に腕をかけ笑いながら言い返しているヨシ。
「オイ、帰るのか、来るのかしらねーけど、旅行の件はまた連絡すると思うから…」
じゃれている二人にアキラはぽそっと言う。
「はーい、電話待ってるよアキラ!楽しみ~、あ、でもお金、必ず返すからね…」
ルードは、それだけアキラを引き止め約束する。
「いいって、ルードはまだ中学生なんだから、そんなコト気にすんな」
柔らかく笑ってアキラは言い聞かせ…部屋を出る。
「アキラ…」
何気ないアキラの優しい言葉にルードは心でお礼を云いながら、後をついて出る。
みずきとアキラはコンビニへ仕事に、ヨシたちはいったん車を取りに行って、その後やはり、みずきたちのいるコンビニへ遊びに押しかけるのだった。
なんだかんだ言って仲の良い四人組、こんな調子で日々微妙な関係を保っているのだった…。
《新生活》終。
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