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第100話
みんなヨシのワンボックスカーに乗り込んでいく…
ナビ役のため助手席はみずき、真ん中の席にアキラとルード、一番後ろに残りのコウジと瞬助が座る。
ルードはアキラの隣でかなりご機嫌だが、みずきは後ろの様子(主にアキラの様子)が気になって仕方ないが、任された仕事 なので真剣に取り組もうとしている。
「ところで、何で突然温泉なんて言い出したんだ?」
車が動き出して、アキラが瞬助に聞いている。
「突然じゃないっすよー、連絡取れなくて、温泉宿をやってる知り合いがいるんです」
さっそく答える瞬助。
「知り合い?」
後ろを振り向いて聞き返す。
「あ、俺の知り合いではなくて、母さんの友達の弟がやってるトコなんです、毎年家族で春頃行ってたんすけど、今年からはダチと行くってことで、だからかなり割り引いてくれるんで料金は心配しなくていいっすよ!」
瞬助は簡単にみんなに説明する。
「ふーん、でも宿泊料は払うからな、少しでもちゃんと割れよ!」
「はーい、お兄さん律義っすねー」
感心したように瞬がいうが…
「違うって、人に借り作るのがヤなだけ…」
首を振って否定するアキラ、続けて…
「で、どんなトコなんだ?」
「山奥っすよ」
「山奥?」
「自然がいっぱいで、春は山桜が綺麗な穴場なんすよ!毎年コウジ誘ってたんすけど、コイツ絶対来なくて…」
はりきって説明している瞬助…
コウジを見て不服そうに言う。
「瞬は家族と行ってるのに、僕がついて行けるわけないでしょ…」
常識考えてよ、と少し怒って言い返す。
「はは、だからオレら呼んだのか…」
アキラはくすくす笑って納得する。
「みんなでなら…ってコイツが言ったから気が変わらない内に決めてしまえって感じで…」
「あんまり乗り気じゃないって感じだもんな、コウジ」
会話を見ていたルードも笑いながら話しに入る。
「だって、おかしいでしょ、男二人で温泉旅行なんて…」
コウジはたまらずいうが…
「そっかな?」
「別に、フツーだろ?」
ルードとアキラにはあっさり否定されてしまう。
「アキ兄…」
恨めしく呟くコウジ。
「そうっスよねー!コウジ頭固すぎなんすよー」
味方が出来て大喜びの瞬助。
「…瞬!」
調子に乗りそうな瞬助を叱咤するが、構わず話し続ける。
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