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第101話
「夏祭りの時だって浴衣着てくれなかったし…」
「なッそれは、だって、着ろっていうの女物のユカタだったからでしょ!」
瞬助のその言葉には、かっとして言い返すコウジ。
「ぷっ」
そんなコウジの様子に笑ってしまうアキラとルード。
「わ、笑い事じゃないよ…瞬のゆうこと全部聞いてたら大変なコトになるんだから…」
「でも、その浴衣の方が絶対自然だって…」
瞬助はまだ諦めていない様子で話す。
「確かにコウジなら女物でも似合いそうだよ」
ルードも瞬助に加勢する。
「顔だけはカワイーからな…ははっ」
アキラもからかうように笑う。
「じゃぁ、アキ兄も女物着ろって言われたら着るの?」
なかばキレぎみに指差して言うコウジ。
「いや、オレは似合わないから…」
アキラは軽くかわす。
「アキ兄ぃ…」
「はは…でも浴衣って男物も女物もそう変わりないだろ」
睨まれても笑ってごまかすアキラ、なだめるように言うが…
「あるよっ派手だし帯おおきいし!はずかしいっ!」
「この調子だったら幸田くんの願いは叶いそうにないね」
ルードが瞬助にこっそり話し掛けている。
「頑固だよなー」
瞬助もルードに耳打ちしている。
「何?」
むっと瞬助を睨むコウジ、それを笑顔でかわしている。
「でもさー、実際問題、Gパンとかお前、メンズで買ってる?ウエストのサイズとか無理があるんだよな…メンズだと、ジュニアサイズは長さが短いし、お前どうしてんの?」
アキラは素朴にコウジに聞いている。
「えっ…僕は、自分で買わないから、でも女物じゃないよ、オーダーメイドだと思う…母さんが時々測りにくるから…」
「そっか、その手があったか…でもメンドーだよな…」
コウジの答えに首を傾げるアキラ。
「お前、服…オーダーメイドなのか!?」
「すっげー、高いんだろー、オーダーメイドって!」
瞬助とルードが驚いて声をだす。
「一般的なのだから高くないし…全部じゃないよ、でも母さんが勝手に…」
困ったように言葉をだすコウジ。
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