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第103話
「何々?同病なんとかって…」
ルードがアキラに聞いている。
「同病相あわれむ、ことわざ。同じ悩みとか持ってる奴は、その気持ちが分かるから、お互いに助けあえる仲間になれるってこと…だからその集まりなだけって言ったんだよ‥」
ちゃんとルードに説明しているアキラ。
「ふーん、ことわざ、もっと教えてアキラ!面白そう!」
ルードが興味を持って頼む…
「OK!どうせなら英語でことわざ教えてやるよ」
英語の勉強も兼ねて、とアキラがいうと…
「えっ、英語にもことわざあんの?」
興味深々なルード…
「もちろん、さっきのに似たことわざは、Birds of a feather flock together.とかかな、訳してみ?」
「えーと、Birds、鳥…」
「わー、お兄さん英語うまー!そうだ、後でことわざ古今東西しましょーよ!」
ルードが考え出すと同時に瞬助が訳分かりますー!といった感じで手を上げ、遊びを提案する…
すると、俺不利だよー、しりとりにしよー!とルードが言い返している。
そんなこんなで賑やかに車内での時間は過ぎていく…
後ろの様子を聞いて…
「気楽でいいよなー」
ぼそっと、隣に座るみずきに呟いているのは、本日も運転手のヨシヤス。
「まぁ、せっかくの旅行だからな…道中も楽しめる方がいい」
「そんなコト言って、本当は自分も後ろに混ざりたいんだろ?」
「いや…混ざりたくないと言ったら嘘になるが、アキラが楽しそうなら、俺はどこでもいいから…」
案内役という重大任務を任されているし…
「はは、まぁ…俺らは、とりあえず目的地に着くまで気が抜けねーし…そーだ、少し早いけど昼飯食っとかねぇ?旅館、山、入ったトコだから店なさそうだし…」
「あぁ、そうだな…聞いてみるか、おい、みんな、郊外に出る前に昼食にしようと思うが、何が食べたい?」
ヨシの言葉に頷き、後ろの席を振り返ってみんなに聞く。
「そっすねー」
「なんでもいいよー」
「え、もう昼?」
「何か近くにお店ありますか?」
みんな口々に答えているが…最後のコウジの質問に…
「あぁ、この先に見えるのは、うどん屋と回る寿司ぐらいか…」
みずきが道の先を確認して云う。
「寿司がいい!」
ルードが勢い良く言い返す。
「俺も寿司でいいっすよ、コウジもいいよな?」
「うん、僕はなんでも」
瞬助とコウジも答える。
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