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第115話
「おー、やっぱそうなのか~」
すると感心したように瞬助が呟く。
「え?何が?」
首を傾げる。
「下も金なんだな、って…あ、でも髪より色濃いか?」
「あぁ、毛のこと?最初はもっと薄かったんだけどな~」
ぷっ、と笑いながら気分を害した風もなく答え、お湯につかるルード。
瞬助も笑いながら答え、ノリで続けて話そうとするが…
「マジで?いや、純粋な金髪はどうなのか密かに気になってたんだよな、だってコウジは…」
バシッ!!
素早くコウジの平手が瞬助の後頭部に飛ぶ…
「ッ!痛ってーなぁ…なにすんだよ!」
振り向き頭をさする。
「何じゃないでしょ!ったく、そっちこそ何言おうとしてんの、信じらんない」
「んだよ…いいじゃんか別に…ルーだし…」
「いいわけないでしょ…はぁ、もう、無駄話してないで、早く入って」
コウジは大きくため息をついて瞬助を呼ぶ。
「へいへい…」
頭をさすりながら、コウジのそばにつかる瞬助。
「はは、仲良くなー」
なんだかケンカの原因になったっぽくて、少し心配してしまうルードだったが…
ヨシの近くに行ってみる。
「あー気持ちいい…」
ヨシはすでに、湯にどっぷりつかりながら呟いている…
「露天風呂はいいよ、開放感あって苦しくないから…」
湯気が苦手なルード、頷いて会話を始めている。
アキラもゆっくりみずきの傍で湯につかっていて…
「平気か?」
みずきはアキラを心配してまず声をかける。
「ん、いい気持ち…お湯の中は重力感じないから楽…」
アキラは肩に湯を手で軽くかけながら短く頷く…
髪をくくりあげているアキラ…
おくれ毛が色白なうなじにかかりかなり色っぽい…
「そうなのか?」
そんな姿を見てドキドキしてしまい、アキラをじっと直視できなくて…視線を遠くに投げながら聞き返す。
「ま、上がるとき、逆にしんどいけどな…」
そうみずきに視線を向けて微笑み返してくれる。
今日のアキラは外出できたからか機嫌がいいようで、笑顔が多くてみずきも嬉しい気持ちになれる。
「そうか…具合悪くなったら言ってくれよ…」
その微笑みを横目に見て、そっと視線を交わして、言葉を繋げる。
「大丈夫だって、気にし過ぎ、ほら、お前もオレの傍ばっか居ずにあっちいけよ、ヨシたちのとこ!」
「え?」
「オレはゆっくりつかってるからさ、誰かストッパーがいないとはしゃぎ過ぎるだろ?あいつら」
アキラはヨシたちを見て言う。
「…でも」
みずき的にはアキラの傍に居たい気持ちが大きいのだが…
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