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第116話

「みずき」 ウインクするようにさらに促され… 「あぁ、わかった、すぐ戻るよ」 仕方なくうなずき、露天風呂で泳いだりしているルードたちを止めにいくみずき。 その様子を岩にもたれ見学しているアキラ。 どうやらルードたちと騒いでいる中に瞬助も混ざっているようだ。 「アキ兄、隣いい?」 ぽつっと話かけてくるのはコウジ。 「どーぞ、」 「瞬があっち行っちゃったし…ホント子供だよね、いいな、アキ兄の彼氏はオトナで…」 「どうだろうな…なんなら交換してみる?」 冗談ぽくからかう。 「また…、アキ兄は、そういうこと、軽々しく言うけど、恐くないの?」 アキラの言葉に軽くため息をつきながら、コウジは聞いてしまう。 「何が?」 首を傾げて聞き返す。 「…アキ兄達くらい上手くいってたらそんな不安ないのかな?…ケンカばかりしてる僕たちとは違うもんね」 「……」 「……飽きられる…とか、すごく恐い…」 視線を下げて言う。 「…ふ、ばーか、お前ら付き合って何年なんだよ、飽きるならもっと早くに飽きられてるって」 大丈夫だって、とアキラは微笑みながら伝える。 「そうかな…」 「そう、ケンカだって、必要だと思うけど?相手のこと、それだけ考えれるってことだし」 コウジを見て頷きながら話す。 「…じゃ、アキ兄は、鈴鹿さんとケンカする?」 「オレは…ケンカ、ねぇ…」 首を傾げてしまう。 別れバナシを話し合ったりするけれど…ケンカとはいえないよな… 「ケンカしなくて幸せなら、ケンカしない方が絶対いいと思うけど…」 コウジは思ったことを話すが… 「…幸せって、何処を基準にするか、難しいよな」 アキラはぽつりと呟く… 「え?」 「オレらってそんなに上手くいってるように見える?」 「もちろん…アキ兄も鈴鹿さんも自然体だし…」 疑い無く頷いている。 「本当にそう見える?…オレは、違うと思う、アイツはいつもオレに遠慮してるから…対等じゃない…全然、自然体じゃない…」 しかし、アキラは確信を持って言う。 無理して付き合ったところで… 最初は良くても… いずれは疲れて離れていくものだから…

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