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第120話

「ルード君!」 「ルード、どうしたんだ…!?」 出てきたルードを見て驚くコウジとみずき。 なんと、ルードは額の端あたりから血を流していて…タオルで抑えながら、なぜか笑ってこちらへやってくる。 「はは、そこですべっちゃってさ…かすり傷だって、平気!」 「転んで頭打ったのか?」 驚いて近づくみずき。 「少しだけ、岩とぶつかった」 本人はけろっと答えるが…結構出血しているようで、まわりは心配する。 「俺、アキラ呼んでくるわ!アイツならなんか持ってる筈、手当するモン!」 ヨシはさっそうと浴衣を着て、返事も待たずに飛び出していく… 「え…?大丈夫、ルード君…傷見せて?」 ヨシの行動に少々面食らうコウジだが…心配してみている。 「うん…大丈夫だよ、」 「…思ったより深くないね、すった感じ…まだ血が出てるから…抑えててね」 「タオル弁償しなきゃな…」 ルードはぽつりと呟く。 「そんなこと気にすんな、宿の人には俺が話しとくから!血、止まった?悪かったな、ルー」 瞬助が優しく答えて謝っている。 「何、瞬が原因なの?」 「違う違う、幸田くんは転んだ時に近くにいて助けてくれようとしたんだ、悪くないよ」 疑うコウジをなだめるルード。 「間に合わなくてごめんな、」 付け加えてあやまる瞬助。 「そっか…もう、二人とも騒ぎ過ぎるからだよ!」 コウジは勢いで二人を叱る。 『ごめんなさーい…』 しおらしく謝る二人…。 そこへ、ヨシがアキラを連れてやってくる。 「怪我どこ?」 案の定、小さく袋にまとめた手当するものを持参してきている。 「あ、アキラ…」 「あーもう、何やってたんだよ…綺麗な顔に傷つけて、モデルしてるんだろ、ルード…」 アキラはちょっと怒ってはいるけれど、ルードの怪我の様子を見て、そんなにひどくないことを確認し安心する。 「不可抗力だったんだって…ごめん」 素直に謝るルードを見て、息をつき頭をよしよしと撫で、手当をはじめるアキラ。 「…痛いだろ?」 消毒液を傷口に染み込ませながら話す。 「全然、痛くない!」 しみないわけはないがそう強がってみる。

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