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第121話

「ふ、それだけ言えれば大丈夫そうだな…でも少し安静にしとけよ…」 やれやれと微笑むアキラ。 「こいつは人間救急箱だからな」 ヨシが笑って答えている。 「なんだよその認識、」 アキラはむっと答えるが… 「確かに、アキ兄に言ったら医療品、何でも出てきそう…」 コウジが頷いてアキラに話し掛ける。 「んなわけあるかって…」 「でも、一通り薬持ってきてるでしょ?」 「オレが持って来てるのは、一般的な風邪薬と酔い止めとか胃腸薬とか入眠剤ぐらいしか持って来てないって…」 あと自分用の薬、と不満げに言っているアキラ。 「いやアキ兄、そんだけあれば立派に救急箱だよ…」 くすくす笑って言葉を添えるコウジ。 「お前、ホント医者の家の息子って感じだよな…フツーと違う…あ、ガーゼとか包帯もある…湿布まで!」 アキラの医療袋を探りながら言うヨシ… 「勝手に見んな!」 ヨシの言い方にムカついて怒るが… 「すごいよなーアキラって、すぐ手当してくれて、ホント尊敬…ありがと!」 手当を終えたアキラにニコッっと微笑みお礼を言うルード。 「…ん、どういたしまして、もう、ケガして心配かけんなよ!」 ルードの笑った顔になんとなく和んでアキラはふう、と息をついて笑みを戻す。 「はーい、ごめんなさい…」 明るく答えるルード。 「これからみんなどうするの?夕食まで時間あるよね?」 アキラたちのやり取りを見ながら聞くコウジ。 「一階のフロアーに娯楽室があるから行ってみる?っても卓球とかしかないだろうけど…」 瞬助が答えると、ルードが乗り気で手をあげる。 「行く行く!」 「卓球…温泉の定番だよな、」 卓球は得意なのでヨシも頷いてルードと参加する気でいる。 「ルード、頭打ってるんだから、あまり激しい運動はするなよ」 アキラは心配なので言い聞かせてしまうが、楽しみを奪いたくないので軽く注意する程度にとどめる。 「分かってるって、少しだけ!」 きらきらの笑顔で頷くルード。 「じゃ…オレは部屋にいったん戻るから」 アキラは手当を終えたのでそうルードに伝える。 「えー、アキラ遊ばないの?」 ルードはすかさず誘うが… 「あとで見に行くから…お前らも、ホント騒ぎ過ぎるなよ」 やれやれと息をつく。

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