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第124話

「ていうか、認識間違ってるって、俺はアキラなんかより、みずきの方が何倍も貴重な存在だし、人間性は上だって思ってる。自分の事を軽視しすぎなんだよなぁ…」 「ヨシ…」 「だから、アイツの気まぐれに振り回されてるお前をみるのは正直おもしろくねー、みずきは、もっと自信持って当たっていけばいいと思うぜ、あんなヤツに遠慮することなんかねーし、っても、それがみずきの性格だよなー、お人好しなんだよなー、なんでアイツかなー、ったく!」 ひとりで怒ったように言うヨシ。 「…ありがとう、なかなか、俺も頑固だから…」 そんなヨシにお礼をいい苦笑いして続ける。 「好きになったら…諦められない、自分でも馬鹿だと思うけれど、嫌われていないなら一緒にいたい…おかしいだろうか?」 柔らかくたずねるみずき。 「全然!おかしくなんかねーって、つーか、そこまで想えるって逆にすげーよ、ヤキモチ妬いて拗ねてやる」 つーんと顔を背けてみるヨシヤス。 そんな姿にみずきは笑って… 「ヨシと話していると気分が楽になる…お前はいい奴だな」 気のおけない仲とはまさにこのことだろう、気を張らずにいれるから…感謝してしまうみずき。 「まったまた、そんな照れるぜー、みずきに言われちゃなー、じゃまたあとで!」 そういいつつ嬉しくてオーバーリアクションしてしまうヨシ、ルードたちに買った缶コーヒーなど4本抱え、気恥ずかしくなり、そそくさと立ち去っていく。 その様子を柔らかく見送り… みずきもアキラの元へ戻っていく。 「ただいま…」 椅子に座って外を眺めているアキラに声をかける。 そっと寄り添い、病気のため握力の加減が難しいアキラへ、ペットボトルを開けてやり、緩く締めた状態で手渡す。 「…おかえり、アリガト」 戻って来たみずきから開けてもらったポカリのボトルを受け取るとお礼を言い微笑む。 そんな眩しい笑顔にどきりとしながらも声をかけてみる。 「外…珍しいものでもあるのか?」 また外を見ているアキラに何気に問う。 「ん…そこの桜の樹に鳥が二羽とまってるんだ」 アキラは頷いて外の一角を指差す。 「どれ?」 みずきは窓に近づいて覗いてみる。 「下の枝んとこ…」 「本当だ…」 「あの緑の羽根のヤツがさっきからもう一匹をおっかけてて、おもしろいから見てた」 春は繁殖の時期、枝を渡りオス鳥がメス鳥をおいかけてる様子だろう…アキラはそう伝えてくる。 「動物たちはみんなジブンの子孫を残すのに必死なんだな…人間くらいだよな…欲のために交尾すんのは…」 わざとらしく遠回しに呟く。 「アキラの…言いたいことも、わかるけれど…人間は色々選べて考えれるようにできているから、仕方ないよな」 アキラの考えを全否定しないよう、柔らかく返す。 「…ふ、自分を正当化してるし…」 アキラは少し笑って指摘する。

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