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第125話

「気持ちに嘘はつけないから…」 アキラを好きだという気持ち。 頷くように言った後、アキラの頬に触れてみるみずき。 「その意気だけは、羨ましいくらいだよ…」 軽く肩をすくめるように微笑む。 「俺は単純だから…好きだから一緒に居たい、それしか考えていないんだ…」 願はひとつ、好きなひとと一緒に居たい、そして自分を好きでいてほしい…ただ、それだけ… 「…じゃ、よく考えて…」 切り返すようにアキラは真剣な声音で続ける。 「え?」 「…お前の将来のこととか」 含んだ言い方をするアキラ。 「…時が経っても、アキラのそばに居たいという気持ちは変わらないよ?」 真意がわからず、やや首をかしげて聞いてしまう。 「それは今の気持ちだろ?現実をみて、ちゃんと考えてくれなきゃ…」 「現実…?」 アキラの言葉… 真剣に聞き返すみずき。 「オレの、病気のこと…進行したらどうなるとか、考えたことある?」 するとアキラは緑の瞳をあわせて、静かに問う。 何気に聞くアキラだが…その瞳には真剣な眼差しが含まれている。 「……詳しくは、わからないから考えたことはないけれど、アキラを支えていきたいと思っているから…」 アキラを失いたくないから、先のことを考えると恐くなるのも事実で… 「…だったら考えて、ちゃんと線を引いておきたいから…」 「線?」 「個人差があるし…症例が少ないから、オレ自身、この病気がどういうふうに進行するかなんてわからない…発作や麻痺なんかは主症状だから分かるけど色々、進行過程が別れる病気だし、どんな障害が出るか不確定で断定できない…けど、少しの症例から可能性のあるものは分かる」 アキラはそう説明するよう淡々と話しだす…。 「……」 なにも返せずアキラの話を聞くしかできない。 「……全身の神経伝達を侵したら歩けなくなるだろうし、会話や食事もできなくなる、恐れがある…症例は少ないけど脳の神経を侵せば記憶障害とか出てくるかもしれないし…麻痺や発作が頻発、持続するようになるかもしれない…」 アキラはうつむくように可能性をあげていく… そして再び、みずきと瞳を重ね… 「そんな、状態になって、オレはオマエの前にいたくない…」 アキラなりに漠然と思う事をありのまま伝える。 「アキラ…」 その…アキラの言葉が痛くて、すぐ応えることができないみずき。 「考えてて、オレの身体が今以上に悪化したら、そっとしておいてくれるって…」 アキラはさらに悪気なく言葉を足す。 自分の前から消えて…と、言外に含んで…

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