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第132話

今はまだ、オレを必要としてくれているみずきだから… 「…アキラ、」 突然お礼を言うアキラを見て…どきっとするみずき。 「…お前は変わり者だよ」 なんの得も無いのに付き合って… 「…え?」 「オレみたいなヤツに…尽くして、」 本当に欲しい言葉も気持ちも返ってこないのに… 「…なぜ?俺はアキラだから尽くせるし、代わりはいないよ…」 みずきは首を傾げるように答える。 「……でも、」 ……どうしても言えない… 愛してるって…ずっと一緒にいて…って、真面目過ぎるみずきには…恐くて言えない… 言葉で縛り付けてしまうから…。 「…アキラ?」 黙ってしまったアキラを…そっと呼んでみるみずき。 「……戻ろっか、」 不意に離れながら伝える。 「え?あ、あぁ…疲れたか?」 アキラの背に触れながら聞いてみる。 「…ううん、…オレ、しっかり働くから…」 首を横に振り、また呟く。 「え?あ、コンビニのことか?」 話をコロコロ変えるアキラになんとか付いていきながら、首を傾げ聞き返す。 「うん、働けるうちは…働きたいから、足手まといにならないように…」 色んな意味でみずきの荷物になりたくないから… 自分の力で生活しているように思いたい… みずきを頼らないように… そんなアキラの想いまではわからないみずき。 「アキラ、足手まといにはならないから、即戦力になって、すごく助かっている…」 真面目にコンビニでの仕事を褒める。 「ふ…そうかな、」 微笑み首を傾げるアキラ。 「あぁ、もちろん…これからもよろしく頼む」 そんなアキラをかわいいな、と見つめながらみずきも優しく頷く… 「…みずきって、コンビニ店員が初めてした仕事だったのか?」 桜の見える道をふたり歩きながら…何気に聞く。 もちろんBOUSはいれずに。 「いや、初めて働いたのは確か、新聞配達だったと思う…姉さんのバイトの手伝いをしたのがきっかけか…、なぜ?」 そんなことを聞くのかと首を傾げる。 「ん、いや…コンビニだったら、オレと一緒だなって思っただけ…」 卒業して一番に働き始めたのがコンビニだから… 「あ、そうか、なら…俺も学校卒業して最初に働きだしたのはコンビニだったから一緒だ…」 はっとして、おそろいにするみずき。 「無理矢理こじつけてる感じがしないでもないけど…」 そう笑うアキラにみずきは優しく伝える。 「アキラと同じがいい…」

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