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第133話

「なんで?」 首を傾げ聞き返すアキラ。 「え…と、好きだから…」 一瞬詰まるみずきだが、答えは決まっていて、素直に伝えてしまう。 「……やっぱ、恥ずかしい奴」 そんな、面と向かって言われたら… 自分の方が恥ずかしくなる。 「…すまん、上手い言い方が分からなかったから…でも本当にアキラとお揃いは嬉しいよ、アキラを尊敬もしているから…」 苦笑いのみずきだけど…想う気持ちを伝える。 「…みずき、オレのどこが尊敬できるんだよ?見習うとこなんかない筈だけど…」 みずきには、いっぱい情けないところ見せたし…裏切ったりもした。 そんな奴を尊敬なんて…できるはずない… そう心で思うアキラだが… 「充分あるよ、俺は…アキラだから尊敬できるんだ…」 勉強ができるところも…怪我人をほっておかないとこも…誰にも頼らないように強く生きてきたことも… すべて含めてアキラだから… 他にはいない、かけがえのない存在… 「え?」 「いや、アキラは格好いい生き方をしているから…」 優しく笑って囁くみずき。 「か、どこが!?」 格好いいなんてなかなか言われないので驚いてしまう。 「格好いいよ、アキラ…俺はそう思っているから…」 頷いて…瞳を重ね伝えるみずき。 「バカ、夢見すぎだよ!」 気恥ずかしさからツンと言い返す。 みずきは、そんなアキラを愛しく想いながら…

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