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第136話
「…聞くだけなら、どうぞ」
答えるかは質問によりけりな…そうアキラも足を止め、振り返る。
「…アキラの母親について、今日車の中でいないと言い切っていただろう…けれど、生きていると聞いたことがあるから…」
「…言葉のまま、生きてるけどオレに母親はいない…別にどうだっていいだろ?」
やはり逸らそうとするアキラ。
「いや…生きているなら…会いたいと思わないのか?」
「…思わない」
アキラの答えは、はっきりと簡潔だった。
「…アキラ、」
「オレにはオレの生き方があるし、あの人にはあの人の生き方があるから…邪魔できないだろ…」
会いたいと願ってはいけない…
その存在と繋がりを無くさなければならないから…
「…邪魔なわけないだろう、血の繋がった親子なんだから…」
「…親子関係にも色々あるってコト…みずきが納得いかないなら…オレも特殊なんだろ」
「…アキラ、それでもアキラの母親がアキラに会いたいと思っているかもしれないだろう…」
「…それもないよ、」
緩く首を振るアキラ。
「なぜ?」
「…忘れたい…って言ったから、あの人は、オレが生まれたこと自体、記憶から消したいって…そう願っていたから、だからオレもその通りにしているだけ…」
オレには母親はいないと…
「そんな…」
「…冷たいって思う?でも、あの人は、オレを…障害児を産んだことで沢山傷ついているんだ…これ以上は傷つけたくないから…違う場所で幸せに暮らしてるなら、そっとしておいてあげたいし…」
アキラは入口近くの柱にもたれかかるように身体を預け視線を下げて…
靴で足元の砂利を蹴りながら答える。
「…そうか、そうだな…、これも前から思っていたことなんだが、アキラは自分勝手なんかじゃないよ…」
みずきは頷いて、また伝える。
「なんで、オレは勝手だよ…」
やはりすぐ言い返してくるアキラ。
「本当に自分勝手な人は、自分以外の人のことを考えたりしないから…アキラは違う」
自信を持って頷くみずきに…
「…ばか、本当ボケてるよな…」
なんでもかんでもいい事に繋げるみずきに、困った奴と視線を向けて言ってしまう。
「はは…」
みずきはそんなアキラを見ても微笑んでいる。
「けなされて笑うなよ…ったく、」
どうしようもないな…と呆れ気味のアキラ。
「アキラ…行こうか」
みずきは優しくアキラの手を取り…旅館内へ促す。
「…はいはい」
アキラも機嫌を直して旅館へ戻っていく…。
《温泉へ行こう》終→次章《温泉旅行であれこれ》へ。
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ここまで読んでくださってありがとうございます(*^^*)
更新が遅くなってごめんなさいm(_ _)m
アキラやコウジたちの賑やかな温泉旅行、息抜き編もう少し続きます、良かったらお付き合いくださいね(*^_^*)
お気軽に感想など頂けるととても嬉しいです(^o^)
悠希乃諒。
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