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第138話
「なんか、北上さんが強すぎて…僕じゃ負けるからって。ルード君と北上さんを倒すんだって…」
やれやれと息をつくコウジ。
「はは…ホントだ、楽しそうでなによりって感じだな…」
様子を見ながら微笑んでいる。
「アキ兄もやってみたら?鈴鹿さんと、台あいてるから…」
卓球ならできるだろうと…コウジは聞いてみる。
「卓球な、見学してる方が面白いからやめとく…変なトコに:力(:ちから)入れて腕、マヒっても困るし…」
アキラは機嫌を害したふうでもなく答える。
「そっか、」
残念。と首を傾げる。
「そういうお前こそ、みずきとやれば?」
唐突に勧めるアキラ。
「えっ?」
「アキラ、俺は卓球下手だから…」
ふたりは当然驚くが…
「下手だから面白いんだろ?」
アキラは面白そうに笑って答える。
「えっ…」
困る二人をよそに、アキラは続けて…
「はい、どうぞ。がんばれ!」
卓球のラケットを取ってきて二人に渡す。
「ほんとに?」
コウジがみずきをちらっと振り返りながら。
「やってみるか…」
まぁアキラが楽しそうなので頷いてみるみずき。
「…うん、じゃお願いします。鈴鹿さん」
「あぁ、こっちこそ…」
なんだかぎこちなく挨拶する二人。
そんな様子も楽しそうにみているアキラ。
「がんばれ」
どちらともなく応援の声をかける。
卓球台の近くに椅子を持っていき、観戦しはじめる。
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