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第143話

アキラは、そんなことを思いながら不意に立ち上がる。 「…ん?どこいくんだ?」 「部屋戻ってる…」 ややうつむいて言うアキラ。 「あぁ?みずき置いて?」 ヨシはすぐ反応するが… 「…少し、ひとりになりたいから…しばらく遊んでろって言っといて…」 そう息をつくように言うとアキラはゆっくり歩き出す。 「ったく、勝手な…」 ヨシはぼそっと呟いて怒るが… 「…、アキラ?」 卓球をしながらも、アキラの様子を気にしていたみずき。 席を離れるアキラに気付いて声をかける。 「…まだ遊んでろよ」 と、だけ言って手を振って行ってしまう。 「……、」 そう言われても、気になるみずき。 後を追おうとするが… 「まぁ待てよ、ひとりになりたいらしいから、ほっとけ、あんなやつ…それより卓球付き合えって」 ヨシがすかさず引き止める。 「しかし…」 アキラをひとりにするのは心配なみずき。 「だー!たまには親友の頼みもきいてくれ!すねるぞ…」 地団駄を踏むようにヨシはみずきを留めようとする。 「……」 そう言うヨシにやや困った顔をする。 「アイツなら大丈夫だって、ほら二人相手してやるから!」 ヨシは有無をいわせぬよう、勝手に仕切ってはじめてしまう。 「……」 仕方なく付き合うことにするみずき。 ヨシの様子に押されて、アキラを心配しつつもしばらくヨシたちと遊ぶことにする。

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