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第144話
「よっしゃ!勝ったっっ!」
向こうの台で卓球をしていた二人も勝敗がついたらしく、声をあげている。
「…くそー、もうちょいだったのに…」
悔しがるのはルード…
どうやら瞬助が勝ったようだ。
「へへーかちー、じゃ俺、おトイレ☆」
ウインクなどしながら上機嫌で去っていく瞬助にルードは…
「勝ち逃げすんなー!」
そう吠えている。
「にぎやかだな…」
みずきが呟くと…
「瞬はいつもあんな感じで…子供っぽくて困る」
そう溜息加減に呟くコウジ。
「あれ?アキラは?」
ルードもやってきて、キョロキョロしながらまず聞く…
「部屋で休んでるんだろ、ほっとけよ、団体行動できねぇやつは!」
「ヨシ…」
その言い方はないだろう…と叱るように言うみずき。
「へーい、」
みずきには逆らえないヨシ、すねたように返事をする。
「アキラ、やっぱ最近元気ないよね…なんでだろ…」
ルードなりに思った事を呟く…
「……」
みずきも心の中で思う。
最近、アキラの回りで思わぬことが連続して起きているから…
それがやはり負担になっているんだ。
けれど、自分はアキラに対して、どう支えていけばいいのか…精神面で、どこまで深く関わっていけばいいのか…分からなくて…情けない。
「まぁ。少し寝ればもと通りになるだろ、気にせずやろうぜ、卓球!」
ヨシは盛り上げるため、みんなに声をかける。
「だね、少しそっとしとこう。てか、ヨシとはやらないからなー、負けるだけだし…俺、コウジと卓球で勝負する!さっきのリベンジ!…いい?」
徒競走で負けたリベンジ、とばかりにコウジを指名するルード。
「うん、いいけど下手だよ」
快く頷くコウジ。
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