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第145話

「おっけー」 ルードも相槌をうって卓球台へ行く… 「ちぇ、」 ヨシは面白くないとばかりに舌打ちするが…おとなしく椅子に座る。 「みずき、ごめんなー」 ルードに譲るため、台を離れるみずきに、かるく謝っている。 「いや、気にするな…」 みずきも気にせす、ヨシの座る椅子の横へと移動する。 このままアキラの様子を見に行こうと思っていたが… 「ホイ、みずきも座れよ、」 椅子をすすめながらいうヨシ。 「俺は…」 入口をちらっと見ながらみずきは言おうとするが… 「…みずき、あんま追い掛けすぎるのも失敗するぜ、時にはこっちからつっぱねて、引き付けるぐらいじゃないとな、」 ヨシは立ち上がりみずきの肩に腕をかけてそう伝える。 「そんな、自信はないから…」 アキラを突き放したりしたら… 二度と戻って来てはくれないかもしれない… アキラを繋ぎ止めていくことに一生懸命になっているのだから… 「まぁ、確かに別れようと思ってる奴突き放したら…終わるかもしんねーけど…アイツ我が儘なんだよな、みずきを振り回してムカツク!」 ヨシは憤慨したように言う。 「ヨシ…」 緩く首をふるみずき。 「まぁ、お前がそれでもアキラがいいっつーなら仕方ないけどな、」 そう、やれやれとなりながら息をつく。 「…俺は、アキラにいつでも必要とされる人間でいたい…遠慮せずになんでも言ってもらえるような…」 いつも思っている願いをヨシに言ってみるみずき。 「アイツ、言ってるだろ、けっこうみずき、使われてる気ィするけど?」 ヨシは首を傾げながら聞く… 「いや…、肝心なことは、アキラはひとりで考えて行動してしまう…」 隠して、伝えてくれない…

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