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第146話
「…そっか?まぁ、自分勝手ではあるけど…」
また首を傾げるヨシ。
「…アキラは、俺といたくないんだろうか…」
思いたくはないが…
離れたがるアキラを見ていると…悲しいがそう思えてくる。
「さぁ…みずきに限らず、じゃねぇ?単独行動好きっつーか…」
みずきから離れようとしているのは確かだけれど、みずきを嫌っているとかではないのはさっきの様子を見ても分かる。
「…ひとりの方がいい…か、前にアキラが言っていたな…あまり、その話を深く聞いていくと…やはり別れ話になっていきそうできけない…」
それでもそばにいたい自分…
思いはすれ違っているのだろうか…
「まぁ、そんなに間に受けんなよ、アイツの言ってること…言葉半分に聞いとけ、ひねくれヤローだからな、言葉と気持ちが一緒とはかぎんねーだろ…」
アキラの言動に振り回されてるみずきが、なんだか哀れで、そう元気づけてみるヨシ。
「…そうだな…けど、」
確かにアキラにはそういうところがある…
こうと決めたら、嘘をついてでも言葉でうまく誘導して…
けれど、アキラの話すことを言葉半分にはきけない…
アキラを信じなくては…
とうてい自分を信じてくれなど言えないから…
「ん?」
「いや、ありがとう…そういうヨシはどうなんだ?」
みずきは話を変えて聞く。
「へ?」
マヌケな返答をするヨシに続けて…
「今は誰とも付き合っていないのか?」
そっと聞いてみるみずき。
「あー、俺ね…」
「最近、自分から話さなくなったからな…」
以前は聞かなくても色々話してきていたから…
「今はフリー、ほら、恋人つくるよりダチと騒いでた方が楽しい時期ってねぇ?」
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