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第147話

「そうか…」 「つーか、恋愛能力ねぇんだよな、俺」 頭をかきながら言うヨシ。 「そうか?経験ならお前の方が上だろう…」 「だから分かるんだって…今まで一年もった奴いないしな、みずきとかすげーと思うぜ、ずっとヤツ一筋なんだからな…」 「そうだろうか…」 首を傾げるみずき。 「そうそう、すげーって、継続は力なりってな!」 ヨシは大きく頷きながら言う。 「ふ、こういう場合にもあてはまるのだろうか…」 かるく笑ってみずきも答える。 「もち!あのカタブツ(アキラ)もそのうちみずきに頭下げる時がくるぜ!」 勢い良く言うが… 「いや…頭を下げさせたいわけじゃ…」 「じょーだんだって、ま、気長にいくしかねーだろうな…相手が相手だし」 ヨシは笑顔をみせながら言う。 「あぁ、ありがとう…」 ヨシなりの気遣いに優しく微笑むみずき。 そしてまたヨシが話だして、しばらく会話を続ける二人… そのころ… アキラは部屋に帰るため廊下を歩いていた… なんとなく気分が悪くなって抜けて来たけれど… (…頭がフラフラする…熱は上がってないけど…薬の影響かな…) そう思いながら…歩くが、どうもめまいのような感覚がひどくなって…すすめなくなってしまう… 壁に寄りかかるように、うつむいて休憩していると… 「どうかしたんすか?」 不意に声をかけて覗きこんでくる人物… ちょうど通り掛かった瞬助だ、心配している。 「…あぁ、幸田くんか…」 声で確認して顔を上げて答えようとするが… ぐらっと視界が揺れる。

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