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第150話

そして娯楽室へ戻ってくる瞬助… 「うーす!」 平静を装いみんなに声をかける。 「あ、やっと帰って来たー」 ルードは笑顔で出迎え… 「なっげー便所だなオイ!」 だいぶ打ち解けたヨシがすかさずからかっている。 「ちが!ちょっと散歩してたんすよ!」 ぶんぶん、と首を振って言い返す瞬助… やはりみずきはアキラの姿が見えないと落ち着かない… 「アキラを見掛けなかったか?部屋に帰ったと思うんだが…」 瞬助に不意に聞いてみる。 「えっ、いや…みてないような…!」 どきっとしながらも、アキラとの約束を守るため、かるく言い逃れる瞬助… 本当は状態報告したくてしかたない気持ちをぐっと抑えている。 「…そうか、なら俺は部屋に帰ってみるよ…気になるから…」 なにげに言うみずきだが… 「えっ、彼氏さん、もう少ししてからでも…いいような…」 すぐ行かれると、体調の事を話してしまったかと思われるかも!ととっさに言ってしまう瞬助だが… 「え?」 なぜ?と首を傾げるみずき。 「あ…いえ、せっかくですし卓球でも…」 まずいな…と視線を泳がせる瞬助 「瞬、なんか隠してるでしょ…」 それを見ていたコウジがつっこむ… 「いや…別に、」 やば~と目をそらす瞬助に… 「嘘、アキ兄見掛けたんでしょ?」 鋭くつっこむコウジ… 「お前は黙ってろって!」 ぶが悪くなってコウジに言うが… コウジも引かず聞いている。 「もう、なんで隠すの?」 怪しみながら瞬助に問う。 「隠してるわけじゃないって!」 首を振って否定するが… 「じゃ正直にいいなよ」 コウジもアキラがらみのことらしいので気になって引き下がれない…

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