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第154話

なぜ…自分に伝えてくれなかったのか… そばにいなかったから? いや…いても伝えてくれなかったかもしれない…そう思うと無性に悲しくなるみずき。 アキラは、まだ自分にも気を遣っているということだから… なんでも言ってほしい…頼ってほしい…けれど、その力が自分にはまだないから…悔しい。 みずきはそっと立ち上がり、休んでいるアキラに瞳を向けた後、そばに居たい気持ちを抑えて…静かに部屋を後にする… アキラが起きた時に、俺が居たら… 体調の事を隠そうとするかもしれない… 無理はさせたくないから…ゆっくり休ませてやろうと…心に言い聞かせて… 再び娯楽室にもどるみずき。 「お、戻って来た!」 みずきの姿が見えてヨシが手を振り言う。 「あぁ、眠っていたから…起こしてはいけないと、思って…」 「だな、こっち見てみろよ、」 そう手招きする。 「なんだ?」 みずきが近づくと… 「なつかしのゲームがあるぜ!」 ヨシは嬉しそうに呼ぶ。 「これは、パズルゲーム…」 かなり古そうなゲームが何台か置いてありそのひとつを指差して… 「せっかくだからやってみようぜ!」 楽しそうにみずきを誘う。 「ゲームか、そういえば…アキラも自宅でゲームを沢山持っていたな…」 今は片付けてしまったのかないが… 自宅に住んでいるころは、部屋に色々TVゲームが置いてあった… みずきは思い出しながら言う。 「ふーん、アイツTVゲームなんかすんのか?つーか、アイツの趣味よめねー」 ヨシはゲーム機の前に座って…首を傾げて言う。

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