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第155話
「…これといって集中してやっている趣味はないようだが…外出は好きみたいだな…」
みずきも首を傾げながらも答える。
「外出?買い物とか?それともカラオケとか?」
さっそくゲームを始めながら、ヨシは会話を続ける。
「前、買物に一緒に行ったら喜んでいた、なかなかひとりでは行けないらしいから…カラオケは一緒に行ったことがないな…俺自身あまり行かないから…」
みずきも近くに座って様子を見ながら話す。
「マジか?」
「あぁ、車の免許もないし…なかなか遠出はできないから…運転のできるヨシは羨ましい…」
頷きながらみずきは答える。
「車ねぇ、まぁ便利だけどな、歩かなくなって足の筋力落ちるぜ」
徒競走で負けたことを思い、苦笑いしつつ言う。
「確かにな…俺もバイクに乗るようになって筋力落ちた気がする…」
「あれで?めちゃ速かっただろ?競争…」
「まぁ、バイクをもらう前は短距離の移動は自分の足でしていたから…」
「へ?」
「…母親がどうしても自転車を買ってくれなかったからな…足があるんだから使わないともったいない、走った方が早いって言われて…」
やや苦笑いで言うみずき…
「えぇ~~」
「姉さんは自分で買っていたようだけれど…」
「すげーな、自転車乗ったことがねぇってこと?」
「いや、乗ったことはある…姉さんのとか友達のを貸してもらって少しだけなら…」
「そっか、でも今時珍し…」
ヨシは素直に驚きながら言う。
「まぁ、歩くのも走るのも好きだから別段よかったんだが…やはり驚かれるな…」
母親にはあまり逆らったことがないみずき…
反動で父親にはかなり逆らっていたけれど…
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