155 / 207

第155話

「…これといって集中してやっている趣味はないようだが…外出は好きみたいだな…」 みずきも首を傾げながらも答える。 「外出?買い物とか?それともカラオケとか?」 さっそくゲームを始めながら、ヨシは会話を続ける。 「前、買物に一緒に行ったら喜んでいた、なかなかひとりでは行けないらしいから…カラオケは一緒に行ったことがないな…俺自身あまり行かないから…」 みずきも近くに座って様子を見ながら話す。 「マジか?」 「あぁ、車の免許もないし…なかなか遠出はできないから…運転のできるヨシは羨ましい…」 頷きながらみずきは答える。 「車ねぇ、まぁ便利だけどな、歩かなくなって足の筋力落ちるぜ」 徒競走で負けたことを思い、苦笑いしつつ言う。 「確かにな…俺もバイクに乗るようになって筋力落ちた気がする…」 「あれで?めちゃ速かっただろ?競争…」 「まぁ、バイクをもらう前は短距離の移動は自分の足でしていたから…」 「へ?」 「…母親がどうしても自転車を買ってくれなかったからな…足があるんだから使わないともったいない、走った方が早いって言われて…」 やや苦笑いで言うみずき… 「えぇ~~」 「姉さんは自分で買っていたようだけれど…」 「すげーな、自転車乗ったことがねぇってこと?」 「いや、乗ったことはある…姉さんのとか友達のを貸してもらって少しだけなら…」 「そっか、でも今時珍し…」 ヨシは素直に驚きながら言う。 「まぁ、歩くのも走るのも好きだから別段よかったんだが…やはり驚かれるな…」 母親にはあまり逆らったことがないみずき… 反動で父親にはかなり逆らっていたけれど…

ともだちにシェアしよう!