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第158話
「みずきは大丈夫だって、色々考えてるし、手を上げたって言ったって一回だけだろ?俺なんかもっと…あ、いや…とにかく、みずきとみずきの父親は違う人間なんだし、心配すんなってコトで、」
もっとアキラを殴ったりしてた、と言いそうになって慌てて話をそらすヨシ…
「あぁ、ありがとう。…ヨシ、」
「は、はい?」
「…いや、今はアキラに暴力していないからな…」
「ぐはっ」
そらしたつもりが、みずきにはバレバレで…みずきはやわらかく牽制する。
「…今、手荒に扱ったら、許さないかもしれない…」
「こわーっ」
大袈裟に驚くヨシを見て…
「大丈夫、信じているけれどな…」
頷きまた笑うみずき…
「はいー」
「じゃ俺は部屋に戻ってみるよ」
そう微笑みヨシに言う。
「おう、りょーかい、あとでな~」
手を振りながらヨシもみずきを見送る、何だかんだ言って…みずきと話せてご機嫌なヨシだった。
みずきは自動販売機によってアキラに飲物を買って理由をつくって様子を見に行く…
そっと部屋に戻ってみると、アキラは起きていて…また窓際の椅子に座っていた。
「…アキラ、」
そっと呼んでみるみずき。
「ん?みずき、戻って来たのか…」
アキラも気付いて振り返る…
「あぁ、ポカリ買ってきたが、飲むか?」
そっとそばに寄りそいながら…
「ありがと…」
頷いて開けてもらったポカリを受け取るアキラ。
「…少し、疲れたのか?」
遠回しに聞いてみるみずき。
「ん?どして?」
軽く首を傾げるアキラ。
「そういう顔をしているから…」
気遣いながら優しく伝える。
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