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第160話

「それは…みずきだけだって、オレが皆と同じようにできたら問題ないんだけど…」 どうしても体力の面では劣ってしまう… 悔しいけど今にはじまったことじゃないし…諦めてる、けど… 「アキラはアキラだから、無理してみんなに合わせなくてもいい…ちゃんと俺は分かっているから…」 ややうつむくアキラに…手を触れさせて…頷くみずき。 「…うん」 「俺がそばにいても平気?」 そしてもう一度、ささやくように聞いてみる… 「…うん、…でもお前も皆のところに行きたかったらいけよ」 頷いた後…そう言っておく。 「あぁ…俺はアキラの近くが落ち着くから」 「ふ…どうしょうもないな…」 くすっと笑って…からかうアキラ。 「あぁ…どう仕様もないよな」 みずきも微笑んで頷く… アキラは微妙な表情で微笑んだあと…そっとみずきの横髪に触れ… 「…みずき、」 名前を呼ぶ… 「…どうした?」 触れられてどきっとしながらも、軽く首を傾げて優しく聞き返す。 「…ううん、」 やわらかく首をふる。 「アキラ?」 「…みずきって変わってるなぁって思って…」 軽くみずきの片耳をひっぱりながら…顔を近づけてささやく。 「えっ?アキラ?」 アキラの行動にさらにどきっとしてあたふたしてしまうみずき。 「…オレもたいがい変だけどな」 くすっと笑って椅子から離れてみずきにゆるりと抱きつきながらぽろっと零れる言葉… 「アキラは変じゃないよ…」 その行動にどきどきしながらも、そっと抱きよせ…伝える。

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