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第162話
「望んでも、手の届かない存在…振り向いてもらえないと思ってた…」
ドキドキしながら…答える、何度か伝えた気持ちを…
「…オレってそんなに冷たい奴に見えた?」
アキラはくすっと笑ってみずきと瞳を重ねて言ってみる。
「アキラ、違うよ、アキラには好きな人がいたし…気持ちを伝えれるような自信はなかったから…」
綺麗な緑の瞳に吸い込まれそうになりながら…答えるみずき。
「……」
そんなみずきを、うかがうように見つめてみる。
「だから、今はこうしてアキラを腕に抱けることが…貴重なことで、大切にしていきたいと思っているから…」
みずきは優しく伝える…
「そんなに…大切にされても困るけど…」
アキラは首を傾げて、またみずきの胸に寄りそう。
「大切だよ、アキラ…」
壊したくない…
今の幸せを…アキラとともにいたい…
「…アリガト、贅沢…なんだろうな、オレは…」
みずきの胸のなかで…ぽつりと呟く。
「なぜ?」
「…ううん、せっかくの一泊旅行だし楽しもうな…」
緩く首を振って話をかえる。
「あぁ、もちろん…」
アキラの髪に触れ優しく頷くみずき。
浴衣姿のアキラはいつもと雰囲気が違ってどきどきして、理性を保たせるのに苦労するみずきだが…やはり一緒にいると嬉しい…
その一瞬一瞬を心から大切にしていきたいみずきだった…。
《温泉旅行であれこれ》終→次章《旅館の夜》へ。
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ここまで読んでくださってありがとうございますm(__)m
更新遅くてごめんなさい、アキラたちの初めての旅行、温泉編良かったらもう少しお付き合いくださいね(#^.^#)
悠希乃諒
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