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第165話
「オレが死んだら…みずきはどうする?」
意地悪に囁く。
「…アキラ、」
そんなこと考えたくない…
「ちゃんと…次の幸せみつけろよ、居ない人間に気をつかうコトはないんだし…」
複雑な表情をしているみずきに、やんわり伝える…
「…アキラ」
「そうしないと、オレだって安心できないから…約束な…」
そっと優しい瞳を向けて…返事を待つが…
「…できない、」
緩く首を振ってしまう。
「みずき…」
「アキラ以上の人はいない…」
真剣な想い…
「…ばか、決めつけんな、そのことも叩き直さなきゃな…」
みずきの言葉を少し嬉しく思いながらも、叱咤するようにアキラは云う。
「……」
その言葉に…なにも返せないみずきだった…
「着いた着いた、布団だ~」
アキラは部屋につくと、敷いてある布団に横になり、重い雰囲気を変えるためはしゃぐように笑顔を見せる。
「……、アキラ、このまま休むか?」
その笑顔にみずきもなごみ微笑む…
「ん?風呂はいるんだろ、面倒にならないうちにいこっか」
普段とちがう浴衣姿のアキラ…
目のやり場に困りながら頷く…
「あぁ…」
「よし、」
アキラは布団から起き上がりみずきの手を引いて部屋についている風呂場に移動する…
「おー、すごい…木造かぁ、この窓から外が見渡せるんだなー」
風呂の中を覗いて云うアキラ…
「あぁ、すごいな…」
みずきもアキラに続き見てみる。
全体的に和風で木造な浴槽のお風呂…
大きめな窓からは綺麗な月と月明かりに照らされた桜の樹が見える。
「ふふ、記念にココでやろっか?」
「えっ、ちょっ」
みずきの動揺をよそにアキラはみずきの浴衣の紐をほどき、キスを求めてみずきに触れていく…
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