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第172話

「七時半過ぎだ…起きれるか?」 優しく問う… 「ん…起きなきゃな…」 頷いて起き上がろうとするアキラ。 自然な動きで手を貸すみずき。 「ぷ…」 先に起き上がっているみずきを見て、不意に吹き出すように笑う。 「ん?」 首を傾げるみずき。 「ふ、浴衣…乱れまくり」 笑いながら指摘する。 「あぁ、そう言えば…着慣れないものだしな…」 自分の姿を見直して頷くみずき。 寝る前はきちんと着ていたものが、今では帯び紐の結びめは逆方向に向いてるし、前もはだけてしまっている。 「そんなに寝相悪くないのになぁ…オマエ」 お互い寝ているときはおとなしい方だ… アキラは布団の上に起き上がって首を傾げる。 「そうだな、っというか…アキラもかなり…」 かなり乱れた姿… 寝起きという絶妙なシュチェーションにもあてられ、目のやり場に困るみずき。 焦りながら自分の浴衣を直す前にアキラのを直してしまう。 「はは…ありがと、」 お返しにみずきの浴衣を直しながら、お礼を言う。 「い、いや…こっちこそありがとう…」 平常心平常心と心で唱えながら礼を言うみずき… 「でも、もう着替えなきゃな、朝飯だよな…」 アキラはいたって余裕で朝から反応の面白いみずきをみて楽しんでいるようだ。 「あぁそうだな…えぇと、服を…じゃぁ俺は顔を洗ってくるから先に着替えておいてくれ」 いそいそとアキラに服を渡して、自分はこの場を退散することにするみずき… でないとアキラは平気で目の前で着替えはじめてしまうので…みずき的にはよほど理性を保たせるのに苦労するから… 「はいはい」 アキラはクスクス笑って頷く。 しばらくしてみずきが顔を洗って戻る、アキラはちゃんと私服に着替えていて… 「じゃ、交代な、」 軽く声をかけて洗面台の方に消える。

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