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第175話
「…しかし、食事は用意されているからな、ほっとくわけにも…」
並べられた食事をみながらみずきがいうと…
「じゃみずき起こしにいってよ、オレ無理」
ルードがまた言い返す。
「えっ…蹴られても起きないやつを起こせる自信はないな…」
みずきは困ったように言う。
「コウジが本気で蹴ったら一発で起きると思うけどな…」
あと動けるか保障はないけど、などと笑って言うアキラ。
「そんなこと出来るわけないでしょ!」
冗談だとわかっていても怒って言い返してしまうコウジ。
「はは、まぁ、みんな起こしに行きたくないってわけなんだな…ほっとけば?」
軽く言うアキラに…
「アキラ…」
みずきは名前を呼んでしまう。
「うーん、…じゃあさ、めんどーだし公平にじゃんけんで負けた人が、起こしに行くってのは?」
ルードの提案に…
『えー』みんなやや難色を示すが…
「誰も行きたくないならコレしかないって、いいよな!」
ちゃっかり仕切ってルードが決めてしまう。
「勝負つくかな…」
この人数で…とコウジがぽつりと呟くが、みんな自分は負けないだろうと思いつつルードの言葉に仕方なく頷く…
「よし、ならいくよ、ジャンケン…」
ルードの掛け声に合わせ、みんなでジャンケンをはじめる。
『ほい、…あいこでしょ!』
長引くと思われた勝負は意外に早くケリがついた。
「げっ!」
「アキラ弱っ」
驚いて呟くルード…
アキラはチョキ、他のみんなはグーで一瞬で勝負がついてしまった…
「…てか、オレがいかなきゃなんないのか?」
やはりアキラはかなり嫌そうだ…
「当たり前!ジャンケンで負けたんだから!がんばってー!」
ルードは少し面白がるようにはやしかける。
「えー、ヤだな…みずきついてくる?」
ちらっとみずきを見て聞いてしまうアキラ。
「あぁ」
みずきは、アキラが行くなら…と頷くが…
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