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第179話

しかし、アキラはそれをスルーして、皆が朝食を食べている座敷へ入っていく… 「ちっ、」 舌打ちしながらも、あれだけ口が達者なら体調も良くなったんだろうと、少しだけ気にしていたヨシだった…。 「連れてきたぞー」 アキラはみんなに手を振りながら声をかける。 「うわーすげ、どーやって起こしたんだ?アキラ、」 起こせなかったルードが真っ先に驚いて言う。 「内緒!」 アキラはウインクなどしてごまかすが… 「最悪な起こし方だぜっ」 ヨシがアキラに続いてやってきて、怒ったように言う。 「ヨシおはよー、マジに水ぶっかけられたとか?」 「はよ、ってか水かけようとしてたのかオマエは!」 驚きながらアキラに言うヨシ。 「ふ、それよりはマシだったろ?起こし方、」 ふふん、と笑うアキラに… 「同じようなモンだっつーの、」 ムカつくヨシだが… 「はは、まぁまぁ、食べよう二人とも、冷めちゃうぜ~」 ルードは笑いながらすすめる。 「そだな、」 アキラは頷いて、さっさとみずきの隣の席に座る。 ヨシも息をつきながらルードの隣の席に着く… 「おかえり、アキラ…」 心配していたみずきは優しく迎える。 「ん、ただいま。これで責任は果たせたよな」 アキラは満足したように笑う。 「あぁ、しかし…よく起こせたな…」 感心しているみずきに… 「ま、手っ取り早くな。日頃の欝憤もぶつけてやったって感じ…」 頷きながら答えるアキラ。 「……アキラは、やはり、ヨシのことを嫌っているのか?」 ちょっと気になって聞いてみるみずき。 「別に、今はなんとも思ってない…昔はキライだったけど…」 まぁ、もとから相性が良くないんだろ、オレとヤツ、そう付け足しながら答えるアキラ。 「そうか…」 「オレがヤツ嫌ってた理由の主は、暴力だしな…今は殴ったりしてこないから、ま、そうなったのは、みずきのおかげだけど、」 アキラは柔らかく微笑み、みずきを見て伝える。

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