179 / 207
第179話
しかし、アキラはそれをスルーして、皆が朝食を食べている座敷へ入っていく…
「ちっ、」
舌打ちしながらも、あれだけ口が達者なら体調も良くなったんだろうと、少しだけ気にしていたヨシだった…。
「連れてきたぞー」
アキラはみんなに手を振りながら声をかける。
「うわーすげ、どーやって起こしたんだ?アキラ、」
起こせなかったルードが真っ先に驚いて言う。
「内緒!」
アキラはウインクなどしてごまかすが…
「最悪な起こし方だぜっ」
ヨシがアキラに続いてやってきて、怒ったように言う。
「ヨシおはよー、マジに水ぶっかけられたとか?」
「はよ、ってか水かけようとしてたのかオマエは!」
驚きながらアキラに言うヨシ。
「ふ、それよりはマシだったろ?起こし方、」
ふふん、と笑うアキラに…
「同じようなモンだっつーの、」
ムカつくヨシだが…
「はは、まぁまぁ、食べよう二人とも、冷めちゃうぜ~」
ルードは笑いながらすすめる。
「そだな、」
アキラは頷いて、さっさとみずきの隣の席に座る。
ヨシも息をつきながらルードの隣の席に着く…
「おかえり、アキラ…」
心配していたみずきは優しく迎える。
「ん、ただいま。これで責任は果たせたよな」
アキラは満足したように笑う。
「あぁ、しかし…よく起こせたな…」
感心しているみずきに…
「ま、手っ取り早くな。日頃の欝憤もぶつけてやったって感じ…」
頷きながら答えるアキラ。
「……アキラは、やはり、ヨシのことを嫌っているのか?」
ちょっと気になって聞いてみるみずき。
「別に、今はなんとも思ってない…昔はキライだったけど…」
まぁ、もとから相性が良くないんだろ、オレとヤツ、そう付け足しながら答えるアキラ。
「そうか…」
「オレがヤツ嫌ってた理由の主は、暴力だしな…今は殴ったりしてこないから、ま、そうなったのは、みずきのおかげだけど、」
アキラは柔らかく微笑み、みずきを見て伝える。
ともだちにシェアしよう!